2015年5月15日(金)
効果額、追い詰められた橋下氏
「数字はいくらでも変わる」
大 阪
○…橋下徹大阪市長が、いわゆる「都構想の効果額」に対する批判に追い詰められ、説明をクルクル変えています。いわく「数字は幅があるから、そこだけを言うつもりはありません」「計算の仕方ですから、数字はいくらでも変わります」。
○…橋下氏は4月、「都構想が実現すれば17年間で2700億円のお金が生まれる」と街頭で語っていました。しかし、「黒字の地下鉄の民営化や市政改革(市民サービスのカット)などの効果額を積み上げた粉飾効果が前提だ」といった指摘を気にしてか、この数字を出す推計を掲載した市の説明パンフの市長前書きでは「行政改革を進めれば」と一言挿入していました。
○…しかも、2700億円は17年目に単年度で生まれる額ではなく17年分の足し算。さらにパンフには「この推計は、税収の伸び率など一定の前提条件をおいたうえで行った粗い試算であり、相当の幅をもって見る必要がある」との留意事項も書いてあります。
○…一方、維新の会のビラでは「都構想の実現でみなさんが使えるお金は4000億円以上」とあたかも同構想で4000億円が単年度で生まれるかのように書いています。
○…実際には、先ほどの推計の府の分も合わせた17年分の累計額ですが、4000億円と言えば、偶然にも松井一郎知事が就任当初、府と市の「二重行政」を解消し「年間で」生み出すとぶち上げた額と同じ。この「年間4000億円」は2年前の府市の試算で最大年976億円に激減したもので、公式資料を分析した野党側からは「入れてはならない数字を除けば実は年1億円だった」との指摘が絶えないものです。
○…追い詰められた橋下氏は10日、ついに街頭で「4000億円と1億円どっちなの? そこは重要なポイントではありません。計算の仕方ですから数字はいくらでも変わります」と語りました。
○…府市当局の答弁ではっきりしているのは、大阪市を廃止・分割すれば、特別区分だけでも新庁舎建設など17年間で650億円は余計なコストがかかるということです。特別区設置自体の効果額は見いだされていません。
(直)