2015年5月13日(水)
新軍事指針 “対米支援は無限定”
防衛相、井上氏質問に答弁
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中谷元・防衛相は12日の参院外交防衛委員会で、新たな日米軍事協力の指針(ガイドライン)で約束した地球規模の対米軍事支援について、協力分野が無限定であることを認めました。日本共産党の井上哲士議員への答弁。
井上氏は、新指針が「地域・グローバルな協力」の章で「指針に明示的には含まれない広範な事項について協力」と明記していることをあげ、「事実上無限定だ」と指摘。中谷氏は「文字通り、日米の協力は例示された協力分野に限られない旨を確定的に記述したものだ」と認めました。
さらに井上氏は、こうした対米協力が「極東の平和と安全」を掲げる安保条約の目的すら逸脱しており、事実上の条約改定を指針改定で行うことはきわめて重大だと批判。岸田文雄外相は2000年代以降の「グローバルな(日米)協力の実績が存在する」と述べ、条約とその関連規定には根拠がないことを事実上認めました。
井上氏は、前指針にあった「日本の行為は、憲法上の制約の範囲内において…行われる」との記述が消えていることをあげ、昨年7月の「閣議決定」で憲法上の制約がなくなったということかと追及。外務省の冨田浩司北米局長は、「文章構成が前回指針から変わっているため、書きぶりが若干変わっている」と釈明しました。
井上氏は、「憲法の制約」を一内閣が取り払い、対米公約することは国会無視で、民主主義をつぶすものだと指摘。新指針の撤回と「戦争立法」の閣議決定の中止を求めました。