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2015年5月12日(火)

TPPや権限法案に反対

米地方自治体 広がる

大都市議会でも

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 【ワシントン=島田峰隆】米国各地の自治体で、環太平洋連携協定(TPP)への反対や交渉妥結の前提とされる大統領貿易促進権限(TPA)法案への反対を決議する動きが広がっています。法案が上下両院に提出されて情勢が緊迫するなか、米国最大の都市ニューヨークなど大都市でも反対決議が相次いでいます。

 本紙の集計によると、2013年10月にウィスコンシン州デーン郡がTPP除外地域宣言の決議を上げて以来、今年5月5日までに合計で少なくとも14の自治体がTPPやTPAへの反対決議を採択しました(表)。除外地域宣言は、たとえ交渉が妥結してTPPが実施されても地元条例などを活用して対抗し、住民生活を守るという趣旨の決議です。

 中西部イリノイ州のオークパーク・タウンシップ(郡区)では昨年11月、TPP除外地域宣言の是非を問う住民投票が行われ、賛成73・7%、反対26・3%となりました。

 米議会の超党派議員がTPA法案を上下両院に提出した今年4月16日以降は、サンフランシスコ、ニューヨーク、セントポールなど大都市の議会が立て続けに法案への反対決議を上げました。

 各自治体の決議は主に、▽北米自由貿易協定(NAFTA)の結果、米国内の雇用は奪われ、地元経済が壊された▽多国籍企業が進出先の政府の措置によって不利益を被ったとして政府や自治体を相手取って訴訟を起こす権利を認めた「投資家・国家間紛争(ISD)条項」により、国や自治体の主権が脅かされる▽交渉過程で地方自治体や米国民が排除されており、民主主義に反する―ことを強調しています。

 セントポール市議会の決議は、NAFTA発効以降に全体で約70万人分の雇用が失われ、税収減などで地元経済が破壊されたと批判。連邦議員に対し「過去の誤りを避ける」よう求めています。

 サンフランシスコ市・郡の議会の決議は「ISD条項は国や自治体の権限を弱める過度の力を多国籍企業に与える」と指摘。すでに外国企業がNAFTAの同趣旨の条項に基づいて有害化学物質の規制の取り消しを求めている例などがあるとして警鐘を鳴らしています。

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