2015年5月12日(火)
「戦争立法」全条文 自公が合意
9条 最悪の破壊狙う
自民、公明両党は11日、国会内で「戦争立法」に関する与党協議会を開き、全条文について最終合意しました。安倍内閣は両党の党内了承手続きが終わる14日に臨時閣議を開き、法案を閣議決定した上で、15日までの国会提出を狙っています。14日の閣議後に安倍晋三首相が記者会見し、見解を表明する意向です。
14日に閣議決定へ
「戦争立法」関連法案は、既存の海外派兵法制と有事法制の計10本をまとめて改定する一括法「平和安全法制整備法」と、自衛隊をいつでもどこでも他国軍の戦闘支援に派兵する新法「国際平和支援法」(派兵恒久法)の2本で構成。米軍との「切れ目のない」戦争態勢を構築するため、解釈改憲・立法改憲によって過去最悪の憲法9条破壊を狙うものです。
一括法は、集団的自衛権の法制化から自衛隊海外任務の拡大まで多岐にわたります。集団的自衛権では、米国など他国が武力攻撃を受けた事態を事態対処法に新設するとともに、その対処を自衛隊法で主任務に位置づけます。既存の海外派兵法(周辺事態法・PKO法)の内容の拡大や、平時からの任務の追加(他国軍部隊防護・「邦人救出」)まで含まれています。
新法は、アフガニスタン戦争やイラク戦争に特措法でその都度対応してきた方式をやめ、恒久法で派兵先・期間・活動内容を政府に白紙委任するもの。従来の派兵法の制約を撤廃し、「戦地」での活動や他国軍への弾薬提供を解禁します。
加えて、「離島への武装集団上陸」などの事態で自衛隊に治安出動や海上警備行動を発令する際の手続きの簡略化を閣議決定で行う考えです。
政権は、安倍晋三首相が米議会演説で対米公約した「夏まで」の成立を果たすため、今国会の会期(6月24日)を大幅延長し、関連法案を一気に通す狙いです。
「戦争立法」の閣議決定・国会提出により、後半国会は安倍内閣が昨年7月の「閣議決定」で強行した憲法解釈変更をめぐって初めての本格論戦の舞台になります。憲法9条をめぐり、国会は重大な局面を迎えます。
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