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2015年5月10日(日)

米スポーツ用品大手・ナイキ本社

オバマ大統領がTPP推進演説

労組の批判高まる

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 【ワシントン=洞口昇幸】オバマ米大統領は8日、環太平洋連携協定(TPP)を推進する多国籍大企業の一つ、スポーツ用品最大手ナイキの本社(オレゴン州ビーバートン)で演説し、与党・民主党内のTPP反対議員らを念頭に、「彼らは間違っている」と非難しました。


 ナイキは、TPPが妥結して関税が撤廃されれば、米国内でスポーツシューズの開発・製造に1万人、販売網に4万人の雇用創出を保障すると発表。“TPPは産業・雇用の国外流出をさらに招く”といった反対論を抑え込みたいオバマ政権を援護する形となりました。

 ロイター通信によると、TPP反対を掲げる米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)のエリック・ハウザー広報責任者は、ナイキの発表について「われわれは以前にも数社から似たような約束を聞いたことがあるが、ごくわずかな結果しか出ていない」と述べました。

 ナイキは米国内に2万6000人の従業員がいますが、製造に携わるのは主に世界各地の契約工場で働く100万人以上の労働者です。工場の3分の1はTPP交渉参加国で、米国より人件費が圧倒的に安いベトナムにあります。

 ナイキはTPPの議論が本格化したこの2年間で、ロビー(議会工作)活動費を大幅に引き上げ、2012年の40万ドルから14年は110万ドルとなりました。今回のオバマ氏の本社での演説も、ナイキ側からの要望だったといいます。

 AFL・CIOは8日、ウェブサイトのブログで、「われわれには、オバマ氏による大企業と(富裕層上位)1%の利益のための投資・取引に浪費する時間はない」などと強く批判しました。


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