2015年5月10日(日)
きょうの潮流
信州信濃の善光寺は今年、7年に1度の御開帳でにぎわいます。日本最古と伝わる秘仏「阿弥陀三尊」。その身代わり本尊がこのときだけ姿を表すからです▼「開帳に逢ふや雀も親子連」(一茶)。秘仏の分身を一目見ようと、全国から押し寄せる参拝者でにぎわう境内。そこで行われていた御開帳中の法要の行列に、あの小型無人機ドローンが落下しました▼幸いけが人はなし。カメラ付きで法要を撮影していたとみられます。首相官邸の屋上で見つかってから、すっかり名が知られたドローン。安価なものは家電量販店にも並びますが、いつなんどき頭上から降ってくるのかわからないようではたまりません▼もともと軍事用に開発された無人機。米軍が偵察や爆撃に使っていますが、誤爆や巻き添えによる民間人の犠牲者が多く、批判を浴びています。商用化されたドローンの用途は多岐にひろがっていますが、安全確保や規制をはじめ、課題は山積みです▼ドローンの姿はオスプレイを連想させます。事故が相次ぐオスプレイも欠陥機で有名ですが、それを日本に17機も売ろうというのですから。しかも想定の2倍をこえる総額3600億円で。こんな高い買い物をやめて、国民のくらしに回せば…▼いま沖縄の米軍普天間基地に配備されているオスプレイの別型が、こんどは人口が密集する東京の横田基地にも常駐される計画が明らかになりました。いつでもどこでも、無人でも有人でも日本の空と安全を脅かす危うい飛行物体はごめんです。