2015年5月4日(月)
「残業代ゼロ」制度
「とりあえず通すことだ」
塩崎厚労相に批判
塩崎恭久厚生労働相が、過労死を促進する「残業代ゼロ」制度である「高度プロフェッショナル制度」を「とりあえず通すことだ」とのべたことが批判をよんでいます。
発言は、4月20日に日本経済研究センターの会員会社・社長約100人が集まったとされる朝食会でのものです。
ブラック企業被害対策弁護団のホームページで公開されている音声データによると、塩崎厚労相は「経団連が早速1075万円を下げるんだといったもんだから、まああれでまた質問がむちゃくちゃきましたよ」と発言。その直後、「それはちょっとぐっと我慢していただいてですね、まあとりあえず通すことだといって、合意をしてくれると大変ありがたい」と語っています。
塩崎厚労相は、「小さく産んで大きく育てるという発想を変えて」などとも語っています。しかし、法案成立までは騒がないでほしいとよびかけものであり、「小さく産んで大きく育てる」という目的をあけすけに語ったものです。
同制度の対象とされる年収1075万円以上の労働者は全労働者のうち約4%。経団連の榊原定征会長は「少なくとも全労働者の10%程度は適用を受けられるようにすべきだ」と、対象拡大を求めています。
労働法制の改悪をめぐっては、厚労省の内部文書が問題になったばかりです。内部文書は、違法派遣があった場合に、派遣労働者に直接雇用の契約を申し込んだとみなす制度が今年10月1日から施行されることについて、「経済界等の懸念」として「施行されることを避けたい」と明記。与党や一部野党の議員に配布していました。日本共産党の小池晃参院議員が4月23日、厚生労働委員会で内部文書を示して追及しました。