2015年4月30日(木)
核兵器の非人道性告発
NPT再検討会議 159カ国が声明
【ニューヨーク=島田峰隆】国連本部で開かれている核不拡散条約(NPT)再検討会議で28日、核兵器の使用がもたらす非人道性を告発し、全面廃絶を求める「核兵器の人道上の影響に関する共同声明」が発表されました。同趣旨の声明は2012年以来、今回が6回目。日本を含む過去最多の159カ国が賛同しています。
オーストリアのクルツ外相が一般討論で読み上げました。NPT加盟国のうち米英仏中ロの核兵器保有5カ国は賛同していません。
声明は、「過去の核兵器使用や実験の経験は、その巨大で制御不可能な破壊力や無差別性がもたらす受け入れられない人道的結果を示している」と指摘。「いかなる状況下でも核兵器が決して二度と使われないようにすることが人類の生存のためになる」「核兵器使用による壊滅的な結果への認識が、再検討会議での作業も含めて、核廃絶へのあらゆる接近と努力の土台にならなければならない」と強調しました。
その上で、「核兵器が二度と使われないことを保障する唯一の道はその全面廃絶だ」とし、「NPTの目的達成を含めて、核兵器使用の阻止、拡散防止、廃絶の達成へすべての国が責任を共有している」と訴えています。声明は、「この責任を達成する上で市民社会が政府とともに重要な役割を担っている」と述べ、草の根の運動を激励しました。