2015年4月29日(水)
官公需に中小企業を
倉林氏が積極活用を提案
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日本共産党の倉林明子参院議員は23日の経済産業委員会で、文化財保護・修繕の官公需に中小企業を積極的に活用し地域経済の活性化を図るよう提案しました。
倉林氏は、中小企業でつくる全国官公需適格組合協議会が昨年6月、住民目線に立ち地域貢献に努めるとする「京都宣言」を出したことを紹介。一方で、ゼネコンなど大手が参入して低価格競争が激化したことで、地元業者が落札できなくなった事実を示しました。
倉林氏は、姫路城の大改修では大手ゼネコンが日本伝統瓦技術保存会の入札検討価格の半額で落札したものの、ゼネコンに技術はなく、結局、保存会が下請けすることになった事例をあげました。
倉林氏は、下請けでは「職人の年収は300万円程度の低賃金だ。後継者の育ちようもない」と指摘。「適正な人件費や事業継続に必要な利益を含んだ適切な価格で仕事ができるよう、随意契約や総合評価方式の活用の導入を拡大すべきだ」と求めました。
宮沢洋一経済産業相は「文化財を中心としたふるさと名物を地域ぐるみで応援することは、地域にお金が入ってくる効果がある」と答弁しました。
適正価格確保施策を
倉林氏
日本共産党の倉林明子議員は16日の参院経済産業委員会で、官公需における中小企業の受注拡大と人件費などの適正価格確保のため実効ある施策を政府に求めました。
倉林氏は、官公需法制定後40年以上経過してようやく中小企業の官公需契約実績が全体の5割を超えたものの、契約額では20年前と変わらない実態を示し、ダンピング競争による労働者の賃金、下請け事業者へのしわ寄せで地域経済にも深刻な影響を与えていると指摘しました。
宮沢洋一経産相は「中小企業全体で官公需の受注を増やすことは非常に重要」としながらも、「適正な人件費の基準を一律に決めることは難しい」と消極的な態度を示しました。
倉林氏は、国交省が昨年末、公共工事発注者に対して示した「歩切り」(妥当な工事費用を予定価格の段階で控除する行為)の廃止を求める文書では、「歩切り」は違法であり根絶すべきものと明記していることを紹介。一方、建設業以外の官公需においては、適正価格の設定にあたっての配慮しか求めておらず法的義務がないとし、国が公契約法を制定し、中小企業、下請け労働者の賃金の底上げに貢献すべきだと主張しました。