2015年4月28日(火)
国立大「日の丸」「君が代」要請
参院委で田村氏 大学自治介入と批判
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日本共産党の田村智子議員は23日の参院文教科学委員会で、下村博文文科相が国立大学の入学式や卒業式での「日の丸」掲揚や「君が代」斉唱を要請する考えを示したことについて、「大学の自治への介入だ。学問の自由を侵す」と批判し、中止を要求しました。
田村氏は「戦争遂行に利用された歴史的事実をふまえ、強制をしないとした国旗国歌法制定時の議論を踏まえる必要がある。『日の丸』『君が代』の批判的研究も行われる大学での取り扱いならば、なおさらだ」と強調。大学自治を学問の自由の制度的保障と認めた東大ポポロ事件の最高裁判決にもふれ、「『要請』は事実上の圧力となる。やめるべきだ」と主張しました。
下村博文文科相は「今回はあくまで要請。圧力ではない」として、要請する考えを改めて示しました。
下村氏の要請発言は、次世代の党議員の国会質問が発端でした。文科省の担当者は田村氏に、国立大学の入学式・卒業式での「日の丸」「君が代」の状況調査も国会議員の要請によるものであることを明らかにしました。
田村氏は、戦前に政府が介入した京都帝国大学の滝川事件では帝国議会の議員の活動が後ろ盾になったとして「この歴史を真摯(しんし)に踏まえるべきだ」と主張しました。