2015年4月28日(火)
自衛隊の地理的制約撤廃
与党 「戦争立法」で実質合意
政府は27日、国会内で開かれた「戦争立法」に関する自民・公明両党の与党協議会で、主な条文についての「基本的考え方」を示しました。24日の与党協議に「戦争立法」の「主要な条文案」が示されていましたが、その「解釈」をめぐって意見の相違のある部分などについて、「整理」するとしたもの。自公両党から大きな異論は出ず、政府は正式に法案化作業に入ります。
自公両党は5月11日に「戦争立法」の全体について正式合意し、同15日前後に法案を閣議決定するとしています。
「基本的考え方」は、周辺事態法を改定してつくる「重要影響事態安全確保法」における「重要影響事態」の意味をめぐり、改めて地理的制約を撤廃することを確認。27日に合意された日米新ガイドライン(軍事協力指針)と歩調を合わせ、自衛隊が地球の裏側まで行って、米軍とともに軍事活動する法制として整備を進めます。
1999年の国会答弁で、小渕恵三首相(当時)が「周辺事態」に関し日本周辺有事を想定し、「中東やインド洋で生起することは現実の問題として想定されない」と表明し、これが事実上同法に基づく自衛隊の活動の地理的制約となってきました。「基本的考え方」では「これらの地域(中東やインド洋)も、重要影響事態が発生する地域からあらかじめ排除することはできない」とし、小渕答弁を引き継がないことを明確にしました。