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2015年4月27日(月)

「戦争立法」の11法制 特徴と問題点

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 政府が24日の自公与党協議に「安全保障法制」の名で示した11本の法制は、大別すると3分野。(1)集団的自衛権の行使の根拠を創設する武力攻撃事態法の改定(2)他国の武力行使を支援する恒久法(新設)と周辺事態法改定(3)「平時」を建前に紛争地域に人道支援や、治安維持で自衛隊を派兵するPKO法(国際平和協力法)改定です。その特徴と問題点を見ます。


 すべてが自衛隊が海外で米国の戦争に参加し、軍事支援する法制です。まさに世界中で米国の戦争に参加・支援する法制です。

 憲法9条のもとで長年禁じられてきた「海外での武力行使」に公然と踏み出すもので9条のもとで容認される余地の全くないものです。

武力攻撃事態法

政府裁量で いくらでも

 武力攻撃事態法の中に集団的自衛権の行使の根拠を創設しますが、発動要件は漠然と不明確で時の政府の裁量でいくらでも広がる危険があります。安倍首相自身が、遠くペルシャ湾ホルムズ海峡での機雷敷設による「エネルギー危機」で武力行使できるとしています。また米国の先制攻撃に相手国が反撃した場合に攻撃参加することを否定せず、「集団的侵略」となる重大な危険があります。

 自衛隊の自分の武器防護のための武器使用(自衛隊法95条)を米軍等の防護に転用するとされています。日米の共同パトロール中などでの不意な攻撃に即座に反撃するもので、事実上の集団的自衛権です。閣議決定や首相の指示すらなしに戦争に発展する危険があります。

恒久法・周辺事態法

派兵 いつでもどこでも

 派兵恒久法(国際平和支援法)は、米軍の戦争支援のために、いつでも地球上のどこにでも自衛隊を派兵するもの。

 周辺事態法改定による「重要影響事態安全確保法」も「日本の安全確保」が名目なのに、「周辺」という事実上の地理的制限を取り払い、地球の裏側まで米軍支援に出ます。

 いずれも米軍の武力行使を従来の「戦闘地域」まで行って支援し、自衛隊が敵軍との戦闘に巻き込まれる危険が飛躍的に高まります。さらに「戦闘の現場」で負傷兵などの捜索・救助を行うとしますが最も危険な任務です。

 支援の内容も、弾薬の輸送・提供、発進中の戦闘機への給油など、これまで否定されていた直接的な支援に踏み込み、米軍との一体化を深めます。

 重要影響事態安全確保法との関連では、強制性を持つ船舶検査も行い、「シーレーン防衛」を広げます。

国連PKO法

武器の使用 大きく拡大

 国際平和協力法(国連PKO法)の「改定」では、PKO活動のほかに人道支援や治安維持(安全確保)活動を新たに盛り込み、武器使用基準が大きく拡大され「任務遂行」のための射撃が可能となります。

 住民等の「警護」任務が規定され「その他特定の区域の保安のための監視、駐留、巡回、警護」までおこないます。「駆けつけ警護」も規定され、紛争地で他国部隊の要請に応え、外敵からの攻撃に反撃します。まさに戦闘任務です。アフガニスタンやイラクなど紛争地での対テロ、ゲリラ戦が想定されます。

 アフガニスタンの国際治安支援部隊(ISAF)では、ドイツ軍など多くの国が戦死者を出しています。こうした活動に本格的に乗り出すことは、極めて危険です。

事前の承認 対象わずか

 恒久法での海外派兵は「例外なき事前承認」が盛り込まれたと公明党は宣伝しますが、承認の対象はわずかに「派兵先と活動の種類」など。詳細な実施計画は「秘密」を盾に、国会には報告さえされません。

 そのうえ、「7日以内に」議決することが国会に義務付けられ、米国の要請に応え素早く戦争参加する仕組みです。

 その他、集団的自衛権や治安維持活動への参加などではいずれも「事後承認」が認められています。人道支援には危険があっても「承認」がそもそも不要です。


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