2015年4月26日(日)
癒えぬ悲しみ いまも
JR福知山線事故10年 遺族ら「安全確立を」
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死者107人、負傷者562人を出した2005年のJR福知山線脱線事故から25日で10年を迎えました。兵庫県尼崎市の事故現場には朝から多くの遺族らが献花に訪れ、現場付近はいまだ癒えぬ悲しみに包まれました。午後には「追悼と安全のつどい」が同市内で開かれ、遺族らは鉄道の安全確立への願いを訴えました。
10年前と同じ青空と肌を刺すような日差しの下、花を手にした人が次々と献花台を訪れました。事故発生時刻の午前9時18分が近づくと、現場のカーブを上り列車が長い警笛を鳴らして通過。現場付近では黙とうが行われました。
事故で長女道子さん(当時40)を失った藤崎光子さん(75)=大阪市=は、この日に合わせて来日した韓国客船セウォル号事故(昨年4月)の遺族らとともに目を閉じました。
藤崎さんは、「娘の犠牲を無駄にしないためには、JR西日本が安全な会社になることが一番。でもそれにはまだほど遠いと感じます」と語りました。
事故で母親(同62)とおば(同55)を失った吉成充智(みち)さん(44)=大阪府箕面市=は、遺族とJR西が共同で進めてきた事故の検証にふれ、「意味が見えてくるのはこれから。JR西の中でそれがどう継承されていくのか、しっかり見ていきたい」と話しました。
福知山線事故10年
党議員らが献花、追悼
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JR福知山線脱線事故から10年を迎えた25日朝、日本共産党の穀田恵二、堀内照文、宮本岳志(代理)各衆院議員、辰巳孝太郎参院議員と金田峰生参院兵庫選挙区候補、地方議員らが兵庫県尼崎市の事故現場を訪れ献花し、犠牲者を追悼しました。
堀内氏は「犠牲者とご遺族に心から哀悼の意を表し、お見舞い申し上げます。公共交通機関の事故が相次いでいます。公共交通機関の安全を確保するため、あらためて10年目になる福知山線事故の教訓を生かし、JRはもちろん、政治の責任も果たさせていきたい」と語りました。