2015年4月25日(土)
徹底批判 ! 「戦争立法」
自衛官処罰規定新設の方針
海外での命令不服従・反抗
自衛隊法改定案 自公に政府提示
政府は「戦争立法」による海外派兵任務の急拡大に備え、上官の命令に自衛官が従わなかった場合などに対して国外犯処罰規定を整備する方針を固めました。24日までに自衛隊法の改定原案を自民、公明両党の協議会に提示しました。
原案によると、(1)上官の命令に対し多数で共同して反抗した者や部隊の不法指揮をした者(119条)(2)集団的自衛権行使の出動命令時に上官の命令に反抗・不服従の者(122条)――に国外犯処罰を適用。刑罰の重さは示されていませんが、現行自衛隊法では(1)に3年以下の懲役または禁錮、(2)に7年以下の懲役または禁錮を定めています。ただ、現行法が適用されるのはあくまで日本国内に限ります。
国外犯処罰規定とは、その犯罪が行われた外国で裁かれない場合に日本の法律で裁くもの。海外派兵をそもそも想定していない自衛隊法に国外犯処罰規定は基本的になく、刑法についても殺人や傷害などの重大犯罪の国外犯を定めているだけです。
政府原案は集団的自衛権行使や他国軍支援などによる海外任務の増加を前提に、重大犯罪でない命令不服従などに刑罰を科すことで、海外で部隊規律を徹底させる狙いがあります。
陸上自衛隊のイラク派兵時(2004〜06年)には、自衛官が誤って人を殺した場合(業務上過失致死傷)の処罰規定がないことが国会でも問題となりました。そのため政府は当時、懲戒などの行政処分で対応する考えを示していました。(04年2月6日、参院イラク特別委)
「戦争立法」の整備によって、任務遂行型の武器使用が解禁されます。不服従や反抗に刑罰が科されることで、現場自衛官が上官の命令と、誤射や危険な任務遂行の恐怖に板ばさみになる事態も予想されます。