2015年4月22日(水)
NHK辺野古報道は不公平
視聴者団体代表ら BPOに審議要望
沖縄・名護市での米軍基地建設をめぐるNHKの報道に瑕疵(かし)があるとして、各地の「NHK問題を考える会」の代表や研究者ら97人が20日、NHKと民放でつくる放送倫理・番組向上機構(BPO)に対し、NHK報道の不公平・不作為を正すための審議を求める要望書を提出しました。
それによると、辺野古沖の米軍基地建設に関するNHK報道には(1)反対する沖縄の民意を伝えない(2)海上保安庁、沖縄防衛局の「過剰警備」の実態を伝えない(3)翁長雄志県知事との対話を拒み続けたのは政府側だという事実をあいまいにし、ゆがめた(4)「発表報道」への偏り、適切な課題設定と情報提供の放棄―という「黙過できない重大な瑕疵、放送倫理からの逸脱、報道番組としての質の劣化」があると指摘しています。
要望書には、ジャーナリズム研究者の桂敬一氏、NHKを憂える運動センター・京都の隅井孝雄共同代表、NHKを監視・激励する視聴者コミュニティの醍醐聰共同代表らが名を連ねています。
醍醐氏は「やらせ問題ばかりに関心が集まっていますが、もっと大事な国政の問題について十分な判断材料を視聴者に提供しているのか、という疑問があります。報道機関の使命について、BPOも正面から考えてほしい」と語りました。