2015年4月22日(水)
全国学力テスト実施
学校の結果公表 前回32教委
文部科学省は21日、小学6年生と中学3年生を対象とした全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)を実施しました。国・公・私立学校のすべての小中学校を対象にした全員参加方式で、全国3万校余りの約222万6000人が国語と算数・数学、理科の3教科のテストを受けました。
国語、算数・数学は、「知識」に関する問題(A問題)と、「活用」に関する問題(B問題)に分けて実施。理科は「知識」と「活用」に関する問題を一体的に問うとしています。
理科は2012年から実施され、3年に1度行うとされます。理科は、12年は抽出方式で、全員参加方式は今回が初めてです。
文科省は「調査により測定できるのは学力の特定の一部分」「学校における教育活動の一側面」とするものの、都道府県ごとの平均正答率(平均点)などを公表するとしています。
前回から市町村教育委員会が学校別結果を公表することや、都道府県教育委員会が市町村教委の同意を得て市町村別や学校別の結果の公表が可能とされました。「点数がすべて」と子どもを点数競争に追い立て、心を傷つけるなど、すでに大きな弊害を生み出しています。
文科省によれば、昨年11月1日現在で、都道府県教委が市町村の結果を平均正答率まで含めて公表したのは7道県。市町村教委(政令市含む)が市町村立学校の結果を平均正答率まで含めて公表したのは32教委にのぼります。
内申に反映
この4月、大阪府教育委員会は全国学力テスト結果を公立高校入試の「調査書の評定」(内申点)に反映させる方針を決定。これに対し、日本共産党大阪府委員会は「一人ひとりの子どもに対して学校が総合的に行う教育評価に異常な競争を持ち込み、市町村と学校に対して府の評価基準を押し付けるものであり許されません」と批判しています。