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2015年4月11日(土)

きょうの潮流

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 酷寒の満州から赤道直下の島々へ。サンゴ礁に囲まれ、七色に輝く海と青い空。「きれいだな」。あまりの美しさに、派遣されてきた関東軍の兵士から思わず声がもれました▼大半が20代前半だった彼らに課された任務は、守備隊として一日でも長く米軍を引き留めること。バンザイ突撃などせず、陣地戦に徹して持久戦に持ち込む。フィリピンや本土防衛のための時間稼ぎ、捨て石となれ―。それが大本営の命令でした▼カニの爪に似た長さ9キロ、幅3キロの小島。そこでくりひろげられた死闘は、4倍もいた米兵さえ「人肉粉砕機に放り込まれた」というほど凄(せい)惨(さん)を極めました。「敵の死体の上に味方が倒れ、その上にまた敵の兵隊が倒れてきた」▼2カ月余で日本兵1万人が犠牲になり、米兵9千人が死傷した殺し合い。それがパラオ・ペリリュー島の死闘でした。当時の昭和天皇は「ますます奮闘するように」と激励し、壊滅するまでペリリューの状況を聞くのが日課のようだったといいます▼戦後70年にあたって天皇夫妻が“玉砕の島”を訪ねました。「太平洋に浮かぶ美しい島々で、このような悲しい歴史があったことを、決して忘れてはならない」。生き延びた土田喜代一さんは「ペリリューのことが世に知れたのが一番うれしい」▼あの悲惨さをよみがえらせる危ういたくらみが、戦争を美化する勢力によって進められている昨今。元兵士はこう振り返ります。「戦争は二度と再びやるもんじゃねえ、国民を泣かせることだよ、国民を」


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