2015年4月9日(木)
学テ 中3内申点に反映
大阪府教委方針 競争教育激化
大教組が批判
大阪府教育委員会が、文部科学省が21日に実施する全国学力調査の結果を中学3年生の内申点(評定基準)に反映させる方針をまとめたことが、8日までにわかりました。府教委によると全国学力調査の内申点への反映は全国初。10日の教育委員会会議で決定するとしています。
府の公立高校の入試の合否判定に使われる内申点は、これまでは10段階の相対評価でしたが、来春から5段階の絶対評価となります。絶対評価は学校によるばらつきが懸念されることから、公平性を担保するとして府教委は独自に、中学1、2年生対象の統一テスト(「チャレンジテスト」)を実施します。学力調査の内申点への反映は統一テストを受けない3年生の評定基準をつくるためのものです。
大阪教職員組合は同日、学習の到達度を把握し、授業や指導の改善に生かすことが実施の趣旨とされている全国学力調査の実施の趣旨と要領に反するとして向井正博教育長あてに、中学3年生の内申点に反映させず、来春の高校入試はこれまでの相対評価で実施するよう求める要請文を提出しました。
要請文では「強行すれば学校現場に混乱と動揺が広がり、競争教育に拍車がかかることは明白だ」と批判。会見した末光章浩副委員長らは、「被害を受けるのは子どもたちだ」と強調しました。