「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2015年4月8日(水)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 最新式の無影灯まで備えつけられ、大病院の手術室そのものだった―。『長寿を科学する』の著者で医学博士の祖父江逸郎さんはあの戦艦大和の軍医でした▼臨床や病理検査室、レントゲン室までそろった「大和」は医療設備の点からも世界一。そう証言する祖父江さんは当時、乗員の診察に多忙を極めました。戦闘時以外にも毎日の特訓とストレスで発病者が多く、感染症に苦しむ者もいたと▼70年前の1945年4月7日。米軍との地上戦が始まっていた沖縄をめざした「大和」は鹿児島の南海上で攻撃を受けて沈没しました。乗員3300人余のうち生存者はわずか276人。無謀な特攻作戦は“一億総特攻の先駆け”として決行されたのです▼「何のために死ぬのか」。最後は竹の棒で敵機と対峙したという中谷健祐さんは、「大和」が沈んで海に飛び込んだ瞬間が海軍生活で最も幸せなときだったといいます。「あー、やれやれ、これで生きられる」と思いながら▼きのう広島の呉市であった「大和」の追悼式。遺族のひとりは「戦争は絶対にしてはいけない」と、改めて語っていました。国を守るどころか、乗員の命さえ犠牲にした巨大戦艦。向かった沖縄ではいま、軍事基地の建設に反対する県民が「ふたたび戦争につながることは、絶対に許さない」と声を上げています▼「大和」の最後の出撃前に交代し、生き延びた祖父江さんは命の大切さを説いてきました。「戦争ではすべてが破壊につながる。破壊の中からは何も生まれない」


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって