2015年4月7日(火)
「隊員を戦地に送るな」の訴えに共感 自衛官の母 息子の命守りたい
駐屯地の街 共産党に期待 名古屋市守山区
安倍政権が、日本を「海外で戦争する国」にする「戦争立法」を狙うもとで、真っ先に戦場に送られる自衛隊員と家族の不安は増す一方です。いっせい地方選では、「自衛隊の若者を戦場に送るな」と訴える日本共産党への共感と期待が自衛隊関係者にもひろがりつつあります。陸上自衛隊守山駐屯地のある名古屋市守山区で取材しました。(原田浩一朗)
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9条があるから
同区内に住む水野優子さん(70代)=仮名=は、息子が自衛官です。「自衛隊は専守防衛。憲法9条があるから、息子は守られている」と安心していましたが、今、不安でたまりません。
2003年から始まったイラク戦争に息子は派遣されました。無事帰国したのを出迎えたとき、「本当は抱きしめたかったけど、息子の嫁も一緒でしたし、遠慮しました」と話します。
昨年7月1日、安倍政権は、集団的自衛権の行使容認を「閣議決定」しました。そのころテレビの報道番組で、イラク・サマワの自衛隊宿営地・周辺に、23発もの砲弾などが着弾していたことや、派遣された自衛隊員が帰国後28人も自殺していることを知りショックをうけました。
首相はウソつき
口を開けば「国民の生命、財産を守る」といいながら、憲法9条の歯止めを、正式な手続きをふむことなく外そうとする安倍首相を、「ウソつき。国民より、自衛隊員の命よりアメリカを優先する鬼だ」と厳しい口調で批判します。
息子が心配で国会中継を熱心に見るようになった水野さん。ぶれることなく安倍政権に対決している野党は、日本共産党だと確信しました。昨年秋、日本共産党の名古屋市議候補・くれまつ順子さんの事務所を初めて訪ね、それまで誰にも話していなかった不安を語りました。
日本共産党は、日常的に駐屯地周辺や自衛隊官舎の前で「自衛隊員を戦地に送るな」と宣伝してきました。
水野さんは思いを込めて語ります。「息子の命を守りたい。『一票では何も変わらないよ』という人もいますが、私は、自分の一票で勝つこともある、と思って共産党を応援します」
「共産党さん 頑張って」
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「憲法9条を守り、自衛隊員の命を守る日本共産党です」―。4日午前8時すぎ、陸上自衛隊守山駐屯地に近い名鉄守山自衛隊前駅の周辺で日本共産党の、くれまつ順子市議候補と長畑千代子県議候補は、地元の三つの支部の15人とともに宣伝しました。「戦争する国づくり」ストップの「赤旗」4月号外を配布しました。
同駐屯地の自衛隊員は、全員が迷彩服(戦闘服)で通勤します。
この日は、守山駐屯地の「桜フェスティバル」当日。基地の一般開放イベントとあって、正門前には開門を待つ人々が列を作っていました。
「『憲法9条を守れ。若者を戦地に送らせたくない』という方は、こぞって日本共産党へ支持をお寄せください」と訴えました。
アメリカ言いなり
号外を受け取った47歳の男性は、「日本を守るのが自衛隊のはず。歯止めが利かなくなって、アメリカの言いなりになるのは怖い」といって号外をポケットに入れました。
「桜フェスティバル」は、散りはじめた桜の下、多くの隊員と家族などでにぎわっていました。
午後3時ごろ、駐屯地を出てきた人にインタビューしました。20歳の男性3人組は、友人が隊員といいます。安倍政権が「海外で戦争する国」をつくろうとしていることをどう思うか聞くと「自衛隊の戦車とかカッコいいと思うけど、実際に戦争するのは嫌だし、入隊した友だちもしたくないと思う」と話します。
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“隊をやめようか”
3月のある日。自衛隊官舎の近くにある居酒屋に20歳くらいの3人連れの隊員が入ってきました。
「国会でもめているらしいけど、自衛隊から軍隊になるの、いやだな」「殺されるのは怖いけど、殺すのも怖い。法律を変えられる前に、(自衛隊を)やめようかな」。そして女将(おかみ)に「どっかに仕事ない?」とたずねたといいます。
常連客のなかに自衛隊員も多い女将がいいます。「日本がもし攻撃されたら、あの子たちたたかうと思うよ。だけど、日本が攻められてもいないのに、アメリカのためにたたかうのは嫌なんだろうね。共産党さん、本当に頑張ってもらわんと困るよ」