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2015年4月6日(月)

小学校25%“授業困難”

福島全小中学校調査 教員・予算増望む声

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 福島県の教育機関や福島大学がつくる「教育復興を進める会」が、福島の全公立小中学校に聞いた結果、小学校では4分の1の学校が授業(カリキュラム)の実施に困難や制限をかかえていることがわかりました。東京電力福島第1原発事故から4年たってもなお、影響が広く続いていました。


 小学校309校中76校(24・6%)がカリキュラムの実施に「一部困難あり」でした。3年前の調査では80%でした。しかし、今回、地域別で、福島市、二本松市など県北地域8市町村では39・8%、いわき市で31・8%となお多い地域も残ります。

 その内容について記述をみると、小学校は「プール、家庭科調理実習は、近隣の学校を借りている」「校庭がないため、民間会社を借りて体育の授業を実施」などとしています。

 中学校で「困難」と答えたのは149校中10校(6・7%)と低率でしたが、「小学校のプールを借りている」「理科室、家庭科室、技術室がない」「校庭、プールがない」のが現状でした。

 避難校でなくても「畑、学校田を使って作物を栽培することが難しい」「森林環境学習でのシイタケ、ソバの栽培、炭焼き体験(ができない)」「遠足、登山、自然探索など屋外での活動(が困難)」と、困難や制限が県内広く残っています。

 今後重視する教育内容として「防災・安全」と「健康」が上位2位で二大課題。3番目は、小学校は「地域学習」、中学校は「奉仕活動・ボランティア」でした。

 増加した仕事は、前回調査までトップだった「放射線物質への対応」が3番目に下がり、「保護者への対応」「児童生徒へのケア」が上位2位でした。

 放射線教育は小中で73・9%が難しいと答えました。小中とも教員と教育予算の増加が二大希望でした。

 調査結果をまとめた松下行則・福島大教授は「震災は終わっていない、避難している子どもにとどまらず県内広く課題、問題があることをあらためて感じます」と話します。

 調査は「大震災後の福島県の教育復興を進める会」が毎年実施。今回は対象696校の66・8%にあたる465校が1月末までに回答。報告をふくむ冊子を同会が編集発行し、5日までに関係機関に送りました。(中村秀夫)


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