2015年4月5日(日)
いっせい地方選挙
自公民維 訴える立場も中身もなし
日本共産党と自民党との対決―「自共対決」の構図が鮮明になっている道府県議選・政令市議選(12日投票)。こうしたなかで日本共産党以外の政党は有権者に語る立場も政策的中身もありません。
「地方」叫ぶが疲弊招いた反省ない 自民
「地方こそ成長の主役」。自民党の地方選キャッチフレーズを同党候補が全国各地で叫んでいます。しかし農産物輸入自由化や「平成の大合併」などで地方の疲弊を招いた反省も、打開の展望も聞かれません。
谷垣禎一幹事長の第一声(3日、大阪市内)が象徴的。「この統一地方選挙は全国それぞれの地域に景気回復を感じ取っていただくための大事な大事な選挙」といいながら、肝心の「地方創生」で売り込んだのは「リニア新幹線のような大きな公共事業」です。公明党と企てる消費税再増税や、投票日後に法案化作業に入る米国の戦争参加・支援の「戦争立法」にはだんまりです。
党幹部自身が実感のない景気回復と認めているのに、「アベノミクスでようやく景気がよくなってきた」(川崎市議候補)と宣伝する第一声もあります。
地方が「主役」といいながら沖縄県民の総意を踏みにじる安倍政権。党内からは「日本全体に『そんなに自民党はいばっとっていいんかいや』という、そんな気持ちがまん延してきた。…『沖縄県民の気持ちをそんたくしたれや。行って話したらどないやねん』とみんな思うてるように、私も思っていますよ。官房長官、なめとったらあかんで」(鴻池(こうのいけ)祥肇(よしただ)参院議員、3日の兵庫県尼崎市での演説)と、官房長官を名指しの不協和音が聞かれています。
“暴走”隠せず反共攻撃 公明
公明党も、「戦争立法」や、今年度3900億円削減する社会保障費切り捨ては語らず、「みなさんを助けていく役割を果たしているのが公明党だ」(山口那津男代表、3日・大阪市内での第一声)という欺まんぶり。自称「平和の党」と「福祉の党」という看板が完全にはがれ落ち、暴走政治の補完勢力であることが隠しようもありません。
公明党は自民党と消費税8%増税を強行した“増税戦犯”でありながら、「消費税が上がった。逆に消費が低迷した。みなさまの生活を応援しなければならない」(北側一雄副代表、4日・大阪市内での演説)と語り、「軽減税率実現の党」などとアピールしています。
「戦争推進の党」「福祉破壊の党」の実態を隠すために、公明党は全国各地で日本共産党攻撃を展開。これ自体、国民にまともな政策を語れないことを示しています。
第一声では「自公のすばらしい政治、自民党の暴走を公明党が止めている」(神戸市議候補)との訴えも。事実無根の共産党攻撃を繰り返しても、自らが与党として入閣する安倍政権の「暴走」ぶりを隠すことはできません。
「戦争立法」言い始めたが… 民主
民主党は「私たちは海外で武力行使しないという憲法の大原則が議論もなく変えられようとしていることに、もっと危機感を持つべきだ」(岡田克也代表、3日・千葉県松戸市での街頭演説)と、にわかに「戦争立法」の問題をいい始めました。各地でも「自民党の戦争政策に反対、子どもが戦争に行かされる」(福岡県議候補)などと演説。「戦争立法」が選挙戦の重大争点に浮上したことを裏付けています。
問題は、それが一貫した立場なのか。
国政では、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」(昨年7月)に対して党内で意見が二分。長島昭久元防衛政務官らが中心となって一部容認するための法案をまとめさえしました。
47都道府県のうち32都府県は、日本共産党以外の政党が、首長の提案に何でも賛成する「オール与党」の自治体です。民主党は国政では「野党」を名乗っても地方では「与党」の一員です。
地方も国政も自民の後押し 維新
維新の党も地方政治で「オール与党」の一員です。
江田憲司代表は3日の横浜市内での第一声で、同党が神奈川県議会、横浜市議会で「オール与党」の一員でもありながら、「地方議員が知事、市長の言いなりでは存在意義がない」などと“野党演説”。「身を切る改革」として議員定数削減などをあげましたが、同党の主要財源となっている政党助成金という“身”にはまったく触れません。
国政の問題では、まさに安倍政権の別動隊となっている維新。「憲法改正は絶対必要。できることは何でもしたい」(橋下最高顧問)と安倍首相にエールを送り、集団的自衛権行使容認や憲法破壊を狙う安倍政権を後押しする姿をあらわにしています。
民主候補 首相とのツーショットを宣伝
千葉 広報誌号外
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千葉県市原市で配布された民主党女性県議候補を特集した「プレス民主(市原市版)」には、女性候補と安倍晋三首相が笑顔で握手する写真を掲載。安倍暴走政治に「対決」しようとしているのか疑われます。