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2015年4月2日(木)

論戦ハイライト

老いも若きも負担増 医療、年金切り捨て撤回を

参院予算委 小池氏が追及

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 日本共産党の小池晃副委員長は1日の参院予算委員会で、消費税増税を強行しながら社会保障の切り捨てを進める安倍内閣の姿を浮き彫りにしました。


写真

(写真)安倍首相、塩崎厚労相に質問する小池議員(右)=1日、参院予算委

 小池氏がまずとりあげたのは、75歳以上の後期高齢者医療。保険料の「特例軽減」廃止(2017年度から)で2倍から10倍もの負担増になる問題です。

 年金月額4万9500円の男性(77)は、年間4240円の保険料が1万2720円と3倍になるなど具体的ケースを示しました。

低年金者に打撃

 小池 まさに低年金者を狙い撃ちした大負担増ではないか。

 塩崎恭久厚労相 (保険料は)月額でみるとイメージが変わる。きめ細やかな激変緩和措置を講じる。

 小池 最終的にこの数字になるのは否定できない。

 一般病床などの入院患者の食事代負担も、1食260円から460円に値上げ(18年度から)する計画で、“老いも若きも負担増”となります。

 小池 入院時の食事は治療の一環だ。長期入院となりやすいがん患者などからも悲鳴が上がっている。

 厚労相 入院医療と在宅医療との公平性を図るものだ。

 小池 高齢者はすでに460円だ。「公平」と言って高い方に合わせるだけの話だ。ご都合主義だ。

年金かい離2.2%

図

(図)2015年は0・5%の物価上昇率と推計
2016年以降は消費税増税(2017年4月に税率2%引き上げ)の効果のみを計算
2016年夏以降はマクロ経済スライド調整率を最大1・1%と仮定

 高齢者の所得保障である年金はどうか。

 すでに13年1%減、14年0・7%減と年金削減を強行。物価下落時の改定見送り分(特例水準)の解消が名目ですが、すでに14年に物価上昇率と年金改定率が逆転しています(グラフ左端)。

 「物価水準から見れば、すでに削りすぎだ」と小池氏。さらに年金を物価・賃金の伸び以下に抑える「マクロ経済スライド」が今年度から発動され、年金改定は0・9%にとどまり、物価と年金の乖離(かいり)は2・2%にもなります。

 基礎年金満額で月2000円上がるはずが600円、夫婦2人で月20万円の場合、月6200円上がるはずが1800円しか上がりません。

 マクロ経済スライドによる年金抑制は40年代まで続き、10%への消費税増税を強行すれば、年金と物価の乖離は19年度4・1%になります。(グラフ右端)

暮らし経済壊す

 小池 なにが「100年安心の年金」か。

 厚労相 将来世代を考え、保険料支払いと受取額とを我慢していくことになる。

 小池 年金財政の帳じり合わせしか考えていない。国民の暮らしも日本経済も壊れてしまう。

 小池氏は、今年度の社会保障削減が3900億円にのぼると指摘しました。(1面表)

 小池 社会保障のためだといって消費税を増税しながら、これだけの社会保障予算の削減に国民の納得が得られると思うか。

 首相 給付と負担のバランスを取らないといけない。

 小池氏は、所得税が高額所得になるほど負担率が下がり、法人税でも大企業ほど負担率が下がっていくことをパネルで提示。トヨタ自動車が受ける研究開発減税は、介護報酬削減による国庫負担削減額1130億円を超える1200億円にのぼることをあげました。

 「政治の方向が違う。こういったところを見直して、きちんと負担してもらえば、安定した社会保障をつくることができる」と強調。「“この道しかない”というせりふは、こういうときに使うべきだ」とのべました。


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