2015年3月31日(火)
同性愛者差別容認州法に 抗議行動広がる
米インディアナ州
【ワシントン=洞口昇幸】米中東部インディアナ州で、「信教の自由」を保障するとして、企業が同性愛者のカップルへのサービスを拒否することを容認する新法が成立し、各方面から批判の声が上がっています。ロイター通信などが報じています。
共和党が主導し圧倒的多数の賛成で州議会を通過した同法は、同党のマイク・ペンス知事が26日に署名して成立。これに対し、州都インディアナポリスの中心部で28日、「信教の自由は、差別する自由ではない」などと書かれたプラカードを掲げる大勢の人が集まり、抗議行動がありました。
賛成派は、“同性愛を認めない”という宗教的信条を持つ企業経営者が、それに反する行動を強制されないようにするものだと主張。反対派は性的少数者への差別を許す恐れがあり、「信教の自由」として認める範囲が他の州に比べても広すぎるとしています。
昨年、同性愛者であることを公にした米アップル社のティム・クック最高経営責任者は27日、「われわれはインディアナの新法についてひどく失望している」とツイッターに投稿。ウォルマートなど他の大企業からも批判の声が相次いでいます。
ホワイトハウスのアーネスト報道官も同日の記者会見で、同法が「すべての米国民にとっての自由と平等と正義に向かう一歩であるとは思えない」と述べました。