2015年3月31日(火)
農水相が不当決定 辺野古新基地 作業停止指示の効力 一時停止
翁長知事「審査の公正に疑問」
米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる名護市辺野古の新基地建設で、林芳正農林水産相は30日、翁長雄志知事が防衛省沖縄防衛局に出した工事停止指示(23日)の効力を「裁決があるまで停止する」との決定書を県、防衛局に手交しました。
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農水省は知事に、4月23日までの弁明書提出を要請。これを受けて審理しますが、裁決までの期間に定めはありません。
農水相の決定は、行政不服審査法に基づき、知事の指示を不服とした防衛局の執行停止申し立て(24日)を認めたものですが、行政処分で国民が不利益を受ける場合の救済措置として定めた同法の趣旨をゆがめた、不当な決定です。
翁長知事は同日、沖縄県庁で記者団に対し「国が申し立てをして、同じ国である農水省が審査するという対応では、審査が公平・公正に行われたか理解できず、残念だ」と批判。今後の対応は「決定書の内容を精査する」とした上で、「県民に寄り添いながら、腹をすえて対応していきたい」と述べ、新基地建設反対の決意をあらためて表明しました。
決定書は効力停止の理由について、(1)普天間代替基地建設の遅れによる損害(2)日米間の信頼関係への悪影響による外交・防衛上の損害―が生じると説明。新基地建設反対の民意より、日米同盟を最優先する姿勢を前面に出しました。
その上で、翁長知事が27日に提出した意見書で、指示を執行停止すれば、岩礁破砕許可の区域外での破砕行為の有無を確認するための調査ができなくなると指摘していることについて、「執行停止により調査ができなくなるという関係は必ずしも認められない」と結論づけました。臨時制限区域内での県の調査に、政府が一切協力していないことには何らふれていません。
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名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前では激しい抗議の声とともに、「翁長さんがんばれ」「政府に負けるな」の声が相次ぎました。