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2015年3月30日(月)

英国 近づく総選挙

首相が公的医療拡充を公約

実現疑問視する声

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 【パリ=島崎桂】5月7日に総選挙を控える英国のキャメロン首相が3月28日、同国政府が提供する国民保健サービス(NHS)について、2020年までに年中無休で患者を受け入れるようにすると公約しました。これまでNHSの予算削減と民営化を進めてきたキャメロン氏の突然の発表に対し、医療団体や野党からは実現を疑問視する声が相次ぎました。

 中部マンチェスターで開かれた与党保守党の党大会で演説したキャメロン氏は、週末の病院は人員、物資ともに不足しがちだと指摘。総選挙で保守党政権が存続すれば、NHSの患者受け入れを「文字通り週7日にする」と述べました。

 キャメロン政権は財政再建策として、NHS関連予算・人員を削減し、民営化を推進。昨年のスコットランド独立問題では、「NHSの危機」が独立派の最大の論拠となるなど、国民の不満が高まっていました。

 英国医師会(BMA)のマーク・ポーター議長は同国メディアに対し、医療予算削減で「大半の病院は壊滅的な財政赤字に直面し、現場のスタッフは極度の重圧下に置かれている」と指摘。財政的な裏付けのないキャメロン氏の公約は、「よく言っても空約束。悪く言えば、選挙を前にNHSをもてあそぶ恥知らずの政治ゲームだ」と厳しく非難しました。

 最大野党、労働党の議員の一人は、「キャメロン氏は前回の総選挙でも全く同じ公約を掲げたが、約束は破られた」と指摘。野党、英独立党(UKIP)の報道官は、「保守党がNHSを重視するなら、政権を担った過去5年間にこうした変化は起きていたはずだ」と述べました。


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