2015年3月29日(日)
きょうの潮流
まもなく新しい年度が始まります。新生活への期待と不安が胸をかけめぐる季節です▼先日、学童クラブを巣立つ小学生の「卒クラブ式」に出席しました。子どもたちの感謝の言葉や指導員の話を通して、学童での多彩な体験や人間関係が、子どもを大きく成長させた様子が伝わってくる内容でした▼働く親の子育てを支えてくれる学童クラブ。子どもにとっても楽しい場所、安心して過ごせる場所であってほしいと願います。子どもの不安やイライラも受け止め、丁寧に寄り添ってくれるおとなの存在は本当にありがたい▼式では児童館の館長が「これからは、ぜひ児童館に遊びに来てください」とあいさつしました。春休みには弁当持参で、友達と一日中児童館で過ごす子もいるそうです。遊び相手と見守ってくれるおとながいるという、安心感があるからでしょう▼近年、自治体の「財政難」などを理由に、児童館を廃止・統合する動きが各地で出ています。例えば東京・杉並区は41カ所の児童館を段階的に廃止する計画を打ち出しました。子どもを守り育てる地域の宝の児童館をなくさないでと5千人を超える署名が集まるなど、住民の反対の声が高まっています▼ある女の子が「公園で遊んでいて怖そうな人が来たとき、真っ先に児童館に走って行った」と話していました。児童館をなくすことは安心できる子どもの居場所を奪い、親の願いにも逆行するもの。4月の地方選では、そんな姿勢の自治体と議員に、きっぱりと審判を下したい。