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2015年3月29日(日)

徹底批判!「戦争立法」 (2)

海外派兵恒久法 確実に高まる「戦死」リスク

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 自衛隊は1990年代から海外派兵に踏み出しましたが、これまで1人の戦死者も出さず、1人の外国人も殺していません。しかし、安倍政権が狙う「戦争立法」が通れば、「戦死」リスクは確実に高まり、戦後初めて、日本国民が海外で「殺し殺される」ことになってしまいます。

“歯止め”撤廃

 テロ特措法やイラク特措法といった従来の派兵法は、期限や任務を限定した時限立法でした。「戦争立法」に関する与党合意は、時の政権の判断でいつでも派兵できる海外派兵恒久法の新設を明記しました。

 その最大のポイントは、「戦闘地域に行かない」という“歯止め”の撤廃です。

 歴代政権は、自衛隊の海外派兵は「憲法違反」だという政府見解との整合性を取るために、「他国の武力行使と一体化しない」という制約を設けました。その柱は、自衛隊の活動を「非戦闘地域」での「後方支援」に限定する、ということです。これによって、自衛隊は海外に出るが、「海外での武力行使ではない」と説明してきたのです。

 与党合意は、「他国の『武力行使』との一体化を防ぐための枠組みを設定する」としており、「武力行使との一体化」論そのものは残しています。

 しかし、与党協議に出された政府資料は「一体化の問題が生じない地域に一律に区切る枠組みは維持しない」として、「非戦闘地域」の概念を撤廃する考えを明記。代わって「現に戦闘行為を行っている現場」では、「支援活動は実施しない」としました。

 つまり、実際に銃弾が飛び交う「戦闘現場」でなければ活動を継続するというものですが、「戦闘現場」になっても撤退はせず、「休止又は中断する」だけです。

 さらに、戦場に取り残された米兵などの「捜索・救助」であれば「戦闘現場」でも活動を継続します。この点は、昨年7月の「閣議決定」にも盛り込まれておらず、新たに加わった重大問題です。

可能性認める

 1954年の創設以来、実戦で1発の弾も撃ってこなかった自衛隊が「攻撃され、結果として応戦して戦闘に参加するのではないか」―。日本共産党の笠井亮議員が昨年7月14日、衆院予算委員会で追及したのに対し、安倍晋三首相は「そこが戦闘行為の現場になる」と述べ、戦闘参加の可能性を認めました。

 首相官邸でイラク派兵を仕切っていた柳沢協二・元内閣官房副長官補は「非戦闘地域」撤廃で、「確実にリスクは高まります。イラクでは何とか戦死者を出さずに済みましたが、あれ以上のことをやれば必ず戦死者が出る」と警告しています。(「朝日」21日付)(つづく)

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