2015年3月31日(火)
橋下「思想調査」を断罪
大阪地裁 “違憲、市は賠償を”
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橋下徹大阪市長による市職員への憲法違反の「思想調査アンケート」(市職員への労使関係アンケート調査)で「精神的苦痛をうけた」として、職員59人が市に1900万円余りの賠償を求めた裁判の判決が30日、大阪地裁でありました。中垣内健治裁判長は、アンケートの一部を違憲と断定し、大阪市に約35万円の賠償を命じました。
同アンケートは2012年2月、橋下市長の業務命令として実施。労働組合への参加の有無や特定の政治家を応援する活動、それらを誘った人の名前まで回答を求めるもので、回答しない場合は処分の対象になり得るとして強制していました。
判決では、「市長は、その地位に基づき、職員に対し、職務命令を発出する権限を有しているが、いかなる内容の命令であっても発出できるものでない」と指摘。「本アンケートは、原告らの憲法上の権利を侵害する設問を含んでいるから、回答を義務付けた場合には職員の権利を侵害する」「市長が本件職務命令を発出した行為は、国賠法上の違法性を有する」と断罪しています。
原告団長の永谷孝代さんは「市長であっても公権力を用いて違法なことを職員に命令してはいけないと判断された。裁判をたたかってよかったと思います。これから私たちは、一人の職員として、市民にとって住みよい街、住民サービスを考えて発信していきたい」と話しました。
本アンケートを違法とした判決は1月に続いて2件目。市庁舎からの組合事務所の撤去命令など橋下市長は一審の地裁判決で全敗しています。