2015年3月27日(金)
「安保」や「地方創生」…
参院予算委公聴会 公述人が懸念や危惧
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参院予算委員会は26日、2015年度予算案に関し、「安全保障」「地方創生」「社会保障」について公聴会を開きました。
「安全保障」で公述人として出席した柳沢協二・元内閣官房副長官補は、安全保障法制=「戦争立法」に関し、「国際法上の正当性」「国会の関与」「自衛隊員の安全確保」を原則とすることで与党が合意したことについて「実際に実現していくことは難しいと認識している」と懸念を示しました。
日本共産党の井上哲士議員は、政府が「あくまでも国の存立を脅かす事態となっている武力行使の排除のみを行う」「排除すれば撤退する」と述べていることについて、「日本に集団的自衛権行使を要請した国に対し武力行使が続いていても、自衛隊が『撤退する』との判断ができるのか」と質問。柳沢氏は「現実には、同じ戦域にいて(撤退は)難しいだろう」と語りました。
「地方創生」では、公述人として出席した辻山幸宣・地方自治総合研究所所長は、地方衰退の原因について「これまで政府が進めた政策の検証が不可欠だ」と指摘しました。「検証がない限り、今回の地方創生も失敗に終わる可能性が強い」と語りました。人口減少への歯止めを目的とするなら、育児費用軽減や保育サービスの拡充こそ優先するように主張しました。
日本共産党の田村智子議員は、安倍政権の進める「地方創生」が自治体間の「連携」を掲げていることについて質問しました。辻山氏は、「地方創生」の政策は“力のある自治体と、そこにお世話にならないと維持できない自治体の2種類に分かれる”と強調。その両者の連携は「(弱い方の自治体に)住む人の思いは打ち消され、自治がなくなる」と語りました。
「社会保障」では、公述人の大沢真理・東京大学教授が、日本の所得格差は拡大し、さらに税などによる所得再配分の効果も低いと指摘。「教育投資や雇用差別撤廃の政策が、平等を進め、成長に寄与する」と主張しました。