2015年3月25日(水)
知りたい 聞きたい
消費税増税で物価上昇2%なぜ
昨年4月の消費税増税による物価上昇を日銀は2%とみなしています。消費税率が5%から8%に上がったのになぜ2%なのでしょうか。(千葉市・読者)
非課税品目があるから
消費者物価指数は消費税分を含めて算出します。日銀は経済と物価の見通しを示す「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で「消費税率の引き上げ分が現行の課税品目すべてにフル転嫁されると仮定して機械的に試算すると、2014年度の消費者物価の前年比は2・0ポイント押し上げられる」と発表しています。
では、3%の消費税率引き上げでなぜ物価が2%上昇する計算になると日銀は考えるのでしょうか。消費者物価指数をはかる品目の中に、非課税品目や、消費税の転嫁を遅らせた品目があるからです。
例えば高校授業料は消費税非課税ですが、消費者物価指数を構成する品目の一つです。増税分の転嫁を遅らせた品目には電気代、都市・プロパンガス代、固定・携帯電話通信料があります。これらの品目に8%の消費税率が適用されたのは2014年5月からです。4月までは5%でした。電気・ガス代、電話代などは利用者の使用量を計って、料金が確定するのが通常、翌月になるので、「経過措置」をとりました。
こうした品目を勘定に入れれば消費税率が3%上がったことで物価が2%上がるというのが日銀の計算です。
(2015・3・25)