2015年3月24日(火)
沖縄・翁長県知事 辺野古作業停止を指示
期限1週間 岩礁破砕許可取り消しも
沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は23日、県庁で会見し、名護市辺野古の海域で行っている米軍新基地建設工事を同日から1週間以内に全て停止するよう、沖縄防衛局に指示しました。これに従わない場合、仲井真前県政が昨年8月28日付で出した辺野古海域の岩礁破砕許可を「取り消すことがある」としています。
|
防衛局に最後通告
知事は会見で、「腹は決めている」と述べ、来週以降の許可取り消しへ強い決意を示しました。さらに、政府が取り消しに従わない場合の法廷闘争も「念頭にいれながら対応していきたい」と述べ、検討していることを明らかにしました。
許認可権者である知事が県の規則(漁業調整規則)に基づく岩礁破砕許可を取り消した場合、政府は現在、辺野古海域で行っている作業を行う権限を失い、新基地の設計で不可欠となる海底掘削(ボーリング)調査ができなくなります。そうなれば、政府が想定する「今年夏の本体工事着工」という日程は大きく狂うことになります。
県は23日付で、沖縄防衛局が臨時制限区域を示すブイ(浮標)やフロート(浮具)のアンカーとして海底に設置した巨大なコンクリートブロックがサンゴ礁を破壊していることに関し、前県政が許可した区域外で岩礁破砕行為がされている可能性が高いと指摘。県による潜水調査を実施するため、海底ボーリング調査などすべての工事作業を停止するよう、防衛局に指示しました。2月16日にも同様の指示を出しましたが、防衛局はこれを無視して作業を続行。今回の指示は許可取り消しへの最後通告と言えるものです。
これに関して菅義偉官房長官は23日午後の記者会見で、「甚だ遺憾だ」と居直りました。「一般論として、現時点において作業を中止すべき理由は認められない」と語り、県の指示に従わない意向を示唆しました。
政府「法的措置も」
政府関係者は23日夜、沖縄県が岩礁破砕許可を取り消した場合、「法的措置も検討する」と述べました。
公約に沿う立派な判断
|
ヘリ基地反対協議会ダイビングチーム「レインボー」の牧志治代表の話 翁長知事が岩礁破砕許可の取り消しへ踏み出したことは、公約にもとづく立派な判断です。歓迎しますし、仲間からも喜びの声があがっています。
私たちの潜水調査によってコンクリートブロック投下によるサンゴ礁の破壊が判明してから、海底の現状維持を求めた県の指示にもかかわらず、沖縄防衛局はこれを無視して作業を進めてきました。立ち入り禁止水域内の県の調査に対しても、防衛局は協力せず、米軍も調査のための立ち入りを拒否しました。
一連の流れからすれば、県が許可を取り消すのはごく当然のことです。防衛局はすべての作業を中止し、県の調査に協力するのが、民主主義国家として果たすべき役割です。