2015年3月22日(日)
論戦ハイライト
周辺事態法改定問題
井上氏“地理的限定なくなる”
防衛相、事実上認める
自衛隊が地球の裏側まで出かけて、米軍の戦争で後方支援を担うことになる―。日本共産党の井上哲士議員は20日の参院予算委員会で、安倍政権が狙う「戦争立法」のうち、周辺事態法改定の問題をとりあげました。
参院予算委 井上議員が追及
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1999年に成立した同法は、「周辺事態」で自衛隊が米軍の後方支援することを定めています。政府は「『周辺』は地理的概念ではない」としつつ、「中東やインド洋は想定されない」としており、事実上、地理的に限定していました。ところが同法改定で、「我が国周辺の地域」という文言の削除を提案しています。
地球の裏側でも
井上 地理的限定がなくなる。
中谷元・防衛相 我が国の平和および安全に重要な影響を与える事態について、「事態」の性質に着目した概念であることを明確にするためだ。
井上 きわめてあいまいだ。政府が「日本の平和と安全に重要な影響を与える」と判断すれば、地球の裏側でも自衛隊を送ることが可能になる。
政府は、自衛隊が海外で「他国の武力行使と一体化」することは憲法上禁じられているとし、他国軍への弾薬提供、発進準備中の戦闘機への給油などは「できない」としてきました。ところが政府提案には、これらが盛り込まれています。
米の要求あるか
井上 米国のニーズ(要求)があるのか。
黒江哲郎・防衛省防衛政策局長 日米協議の中でニーズの確認をしている。
こう述べ、米側の要求があったことを認めました。
井上氏は、2013年の米国西海岸での日米共同訓練で、ヘリ空母「ひゅうが」への垂直離着陸機MV22オスプレイの着艦訓練が初めて実施されていたことを指摘。「すでに訓練が行われている。日本の艦船から給油を受けた米軍機が戦闘を行うのは、明らかに武力行使と一体化している」とただしました。
また、政府はこれまで海外での自衛隊の活動は「非戦闘地域」で行うとしてきました。しかし、「戦争立法」で戦地派兵に踏み込もうとしています。
井上 イラクでの航空自衛隊の武装米兵空輸は「戦闘地域」での活動だったとして、名古屋高裁が違憲の判断を下した。この判決と真逆のことをやろうとしている。
井上氏はこう指摘し、憲法9条に反する「戦争立法」整備の中止を求めました。