「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2015年3月20日(金)

米軍「殴り込み部隊」の出撃拠点

沖縄新基地 どこが「負担軽減」か

参院予算委 山下書記局長の基本的質疑

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 日本共産党の山下芳生書記局長が17日の参院予算委員会で行った基本的質疑の詳報は次の通りです。
 (関連記事)


山下 宜野湾市民も辺野古移設に反対、「痛み」は移すのでなく取り除くもの

写真

(写真)質問する山下芳生議員=17日、参院予算委

 山下芳生書記局長 日本共産党の山下芳生です。

 安倍政権が沖縄県名護市辺野古で建設しようとしている米軍新基地について質問いたします。

 総理は2月18日、参議院本会議での私の代表質問に対し、「住宅や学校に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間の固定化は絶対に避けなければならない」「普天間の危険性除去」と答弁し、新基地建設があたかも沖縄県民のため、普天間基地を抱える宜野湾市民のためであるかのような説明をされました。この答弁が沖縄でどう受け止められているのか。

 今月初め、私は沖縄で声を聞いてまいりました。

 ある人は「恩着せがましい言い方だ」と述べました。また、宜野湾市の元基地政策部長山内繁雄さんは「宜野湾市民は常日頃から普天間の被害を受けている。同じ痛みを、同じ沖縄県民に押し付けることはできない」と語られました。重い言葉だと思います。総理の答弁に対し沖縄でこういう声が上がっていることをどう受け止めますか。

 安倍晋三首相 今なお国土面積の1%に満たない沖縄県内に全国の74%の在日米軍用施設・区域が集中していると。これが沖縄県民の皆様の大きな負担となっており、このような状況について大変厳しい声があるということは十分承知をしております。

 また、今ご紹介いただいたような、普天間において、まさに町の中に、真ん中にあると、市街地の真ん中にあるという中において、普天間基地の方々が、日常のいわばこの騒音等に対する気持ちを率直に語っておられると、このように思います。

 しかしながら、現実的に代替施設を、代替の基地を果たしてどこにこれは求めるかという中におきましては、さまざまな検討の中において辺野古移設しかないというのが結論でございます。その意味におきましては、まさに市街地の真ん中にある、住宅に囲まれた場所にあるこの普天間の一日も早い返還をわれわれは進めていきたいと、こう考えているわけでございまして、辺野古への移設によりそれは実現できると、こう考えているわけでございます。

 また、現在の普天間を単純に移設するわけではないわけでございまして、普天間が有する三つの機能のうち、空中給油機は既に全機、山口県岩国基地への移駐を行っておりますし、緊急時における航空機受け入れ機能も本土に移すわけでございまして、辺野古に移るのはこの三つのうちオスプレイなどの運用機能のみでございまして、そしてかつオスプレイについては、その飛行が可能な限り県外で行われるように、本土への訓練分散等の努力を着実に進めているわけでございますし、また埋め立て面積は全面返還される普天間飛行場の3分の1以下でございまして、かつ、飛行経路は市街地の上空から海上へと変更されるわけでございまして、これによって住宅防音が必要な1万以上の世帯数が辺野古に移ればゼロになるわけでございますので、普天間と同じ状況を辺野古に再現するわけでは全くないということはご理解をいただきたいと、このように思います。

 山下 いろいろ負担軽減だとおっしゃいましたけれども、本当にそうか。これからただしたいと思いますが、ただ宜野湾市民の意思ははっきりしております。

 昨年11月の沖縄県知事選挙では、辺野古移設反対を掲げた翁長雄志候補が移設推進の現職候補を宜野湾市で3000票上回りました。12月の総選挙でも、移設反対を掲げた「オール沖縄」の照屋寛徳候補が自民党候補に6000票の差を付けました。普天間基地の被害に苦しむ宜野湾市民の中でも、辺野古に移設することには反対だ、これが多数なんですね。「痛み」はほかに移すんではなくて取り除くものだ。これが沖縄県民、宜野湾市民の声であります。

山下 名護は今でもオスプレイの騒音被害、移設でさらにひどくなる

防衛相 防音など対応

 山下 基地が押し付けられようとしている名護市辺野古の周辺住民の方にも声を聞きました。ある女性は「『普天間の危険性除去』という言葉を聞くとアレルギーが出る。私たちは人数が少ないから危険でもいいのか。命の重さに違いはあるのか」、こう声を震わせておられました。

 総理、この声にどう応えますか。それでも危険性を宜野湾市民から名護市民の上に移すつもりですか。

 首相 先ほど答弁をさせていただきましたように、普天間はまさに住宅地の真ん中にあります。近接地に学校もあるわけでございますが、辺野古は違うわけでございまして、まさにこれは海岸から海上部分にかけて建設をするわけでございますから、住宅防音が必要な1万以上の世帯数がこれはまさにゼロになるわけでございますし、そしてまた辺野古への移設につきましては、沖縄の負担軽減に十分これは資するものになると、こう考えているわけでございますし、基本的に米軍の抑止力を維持しながら、同時に普天間の危険性の一刻も早い除去ということを考えれば、普天間を辺野古に移設するしかこれはないと、このように考えているところでございます。

図

(図)パネル 1

今でも86・6デシベル「パチンコ店内」なみ

 山下 今の説明は辺野古周辺の人たちには絶対に通用しませんよ。

 米軍の資料をパネルにいたしました(パネル(1))。辺野古がある米軍キャンプ・シュワブとキャンプ・ハンセンにまたがるこの沖縄中部訓練地域には既にオスプレイが発着できる着陸帯、ヘリパッドがたくさんあることが分かります。これ全部ヘリパッドなんです。

 辺野古に近い久志(くし)という集落の住民が自宅から撮影した映像を見せてもらいました。住宅地の目と鼻の先にあるヘリパッドからオスプレイが離陸する姿、重い荷物をぶら下げて頭の上を飛んでいる姿が映っておりました。こういう訓練が日常的に辺野古のそばでは行われているんですね。名護市が測定した久志集落のピーク騒音の平均は86・6デシベルです。

 環境大臣、86・6デシベルというのはどういう騒音ですか。

 望月義夫環境相 評価手法等により値は異なるため一概には申し上げられませんが、お尋ねの86・6デシベルについては、これは全国の自治体の環境に関する試験研究機関の集まりであります全国環境研協議会が行った騒音の目安に関する調査では、例えばゲームセンターやパチンコの店内の騒音と同じ程度の大きさとなっております。

 山下 要するに、人と会話できないぐらいの騒音なんですよ。今でも辺野古周辺の住民の皆さんはこのヘリパッドに発着するオスプレイの騒音被害を受けております。

 総理、騒音も大幅に軽減すると言うんだったら、こういう訓練やめさせるんですか。ヘリパッドは撤去するんですか、総理。

 中谷元・防衛相 基地周辺の航空機による騒音は周辺住民にとりましても深刻な問題であり、騒音対策というのは重要な課題であると認識をいたしております。また、辺野古の方々からも騒音対策を求められていることは承知をいたしておりまして、防衛省としても環境影響評価等で調査をいたしておりますが、辺野古施設の使用を開始した後には、実際に航空機騒音を測定しまして、住民防音の必要性や住民生活への影響を確認するなど、適切に対応していく考えでございます。

各地のヘリパッドを往復するオスプレイが激増

図

(図)パネル 2

 山下 辺野古の新基地ができる以前に、既にこういう騒音があるということを言っているんですよ。その上に新基地ができたらどうなるか。

 これは名護市が作った資料をパネルにいたしました(パネル(2))。中部訓練地域、それから伊江島飛行場、それからやんばるの貴重な自然が残る北部訓練場を中心にオスプレイのヘリパッドがこんなにたくさんあるわけですね、赤い点で示しております。

 米軍の環境レビューによりますと、沖縄本島全体で70カ所ヘリパッドがあります。辺野古に基地が新たに造られたら、こうした各地のヘリパッドと新基地を往復するおびただしい数のオスプレイが名護市民の頭の上を飛んでいくことになりますね。騒音が軽減されるどころか、今以上にひどくなることは火を見るよりも明らかではありませんか、総理。

 防衛相 米軍は、平成24(2012)年4月までに実施したオスプレイに関する環境レビューにおいて、沖縄県内の50カ所の既存の着陸帯の戦術的使用が想定されていますが、この現在の使用状況について、米軍の運用に関わることでありますので、防衛省として確たることを申し上げることは困難ですが、その上で申し上げますと、米軍の環境レビューにおいては、CH47からオスプレイへの変更によりまして、キャンプ・シュワブ及びキャンプ・ハンセンでの訓練は約42%の減、北部訓練場での訓練は約15%の減、伊江島での訓練は約103%の増が見込まれていたと承知をいたしております。

 この伊江島での訓練が増加する理由としては、米軍から、このMV22オスプレイが艦上発着訓練を行う場合にモード変換のための十分な空域を必要として、キャンプ・シュワブ及びキャンプ・ハンセンでは訓練を行うための十分な空域を確保できないためと説明を受けたところでございます。

 山下 何の答えにもなっていないですよ。

 伊江島飛行場で訓練がたくさんあれば、辺野古と結ばれたら全部名護市の上を飛ぶわけですよ。そういうことになるということを今言っただけじゃありませんか。

 総理、「普天間の危険性除去」と言いますけれども、「県内移設」という条件を付けたら、これ問題解決できません。実際、SACO(日米特別行動委員会)合意から18年たっても普天間基地は1ミリたりとも動かなかったじゃありませんか。だからこそ、2013年1月、沖縄の41全ての自治体の首長、議長が、「県内移設断念」「普天間基地の閉鎖撤去」を求める「建白書」を出したんです。そして、知事選挙では、「建白書」の実現を公約に掲げた翁長候補が10万票の大差で圧勝したんですね。

 この「オール沖縄」の民意を無視して、政府が「県内移設」「県内たらい回し」に固執していることが普天間固定化の一番の原因だと、これははっきりしているんじゃありませんか、総理。

 防衛相 この普天間の固定化を避けて一日も早い危険性除去に取り組むことについては、本年2月に翁長沖縄県知事を会長とする協議会からも政府に対して要請をいただいておりますが、この移転先については、まずわが国を取り巻く安全保障環境、これが非常に今厳しさを増しております。また、在沖海兵隊を含む在沖米軍全体のプレゼンス、これを低下させることはできません。

 沖縄の地理的優位性、また海兵隊の特性、そして普天間の飛行場の危険性を一日も早く除去する必要性などを総合的に勘案いたしますと、キャンプ・シュワブ、辺野古に移設することが唯一の解決策であるという考え方に変わりがないわけでございます。

 山下 そう言って18年間1ミリも動かなかった。「県内移設」「たらい回し」では駄目だということは、はっきりしているんじゃないですか。

 首相 この18年の間、その間政権が代わったわけでございますが、その中におきましても、民主党政権におきましても最低でも県外という姿勢が示されたのでございますが、しかしその結果、やはり普天間の移設先は辺野古しかないという結論に至ったわけでございます。アジア太平洋地域をめぐる安全保障環境がある中におきまして、米軍の抑止力が必要であると。

 この抑止力を維持しつつ、先ほど申し上げましたように、普天間、住宅地の真ん中にあるこの普天間基地を移設する。そして、いわば陸路から海上にこれは航空経路が変わっていく中において、普天間での運用とは大幅に変わっていく中において、1万世帯の防音が必要とする世帯はゼロになると、こう申し上げたとおりでございます。そして、その中におきましても三つの機能を一つにしていく。

 そしてまた同時に、われわれは嘉手納以南の返還を進め、そして、それが今実現をしているところでございまして、そうしたこともしっかりと併せて、沖縄の基地負担の軽減に努めていきたいと考えております。

 (ここで昼の休憩が入りました)

海兵隊は「抑止力」どころか「侵略力」、半分以上日本を留守に

 山下 総理は、普天間の辺野古への移設は「抑止力維持」のためだと先ほどおっしゃいました。しかし、「抑止力」と言いますが、ベトナム戦争、アフガン戦争、イラク戦争、アメリカが世界中で引き起こす無法な戦争で、先陣を切って「殴り込み」の任務を果たしてきたのが沖縄の海兵隊です。アメリカ国防総省は、イラク、アフガン戦争に派遣された米軍の数を駐留国別に明らかにしております。

 在日米軍のイラク、アフガンへの派遣人数、どうなっていますか。

 防衛相 ご指摘の兵員数につきましては、米国防総省ホームページにおいて、2005年9月から2012年の3月までの間の統計資料が公表されております。

 当該資料によれば、例えば、2005年9月の時点で、在日米軍から約1700名、在独米軍から約8300名、在イタリア米軍から約3000名等が「イラクの自由作戦」(OIF)及び「不朽の自由作戦」(OEF)になっております。2012年3月の時点で、在日米軍から約3170名、在独米軍から約5150名、在イタリア米軍から約250名等が「不朽の自由作戦」(OEF)にそれぞれ派遣をされていたものと承知をいたしております。

 なお、2012年3月以降の統計資料は現時点におきましては確認できておりません。

 山下 これが国防総省が明らかにしている数字です。(パネル(3))

 在日米軍から毎年3000人、4000人、イラク、アフガンに派遣されております。その中心は沖縄の海兵隊です。ですから、海兵隊というのは、沖縄や日本を守る「抑止力」ではなくて、まさに他国に攻め込む「侵略力」と言わなければなりません。加えて、宜野湾市の調査によりますと、普天間のヘリコプター部隊は、2006年から2010年まで、年の半分以上海外に出かけていたということが明らかになっております。半分以上日本を留守にしていて何が「抑止力」かと言わなければなりません。

 さらに、3年前、森本敏防衛大臣(当時)は「(海兵隊を配置するのは)軍事的には沖縄でなくてもよい」と発言しております。海兵隊が沖縄に存在しなければならない理由はありません。

図

(図)パネル 3

山下 新基地工事のブロックでサンゴが破壊、止めるべきだ

首相 消失するサンゴを移植する

山下 目の前の破壊に無関心でいいのか

「生物多様性の宝庫」(世界自然保護基金)

写真

(写真)パネル 4

 山下 もう一つ、沖縄の皆さんが怒っているのが環境破壊です。

 総理は、辺野古の埋め立て面積は普天間の3分の1、160ヘクタールと繰り返しておられます。しかし、そんなに軽々しく言っていいのかと。これが辺野古の海、大浦湾であります。(パネル(4))

 環境大臣、世界自然保護基金、WWFジャパンから政府に提出された要請では、辺野古、大浦湾の自然環境についてどう評価していますか。

 環境相 ご質問の要旨では、公益財団法人のWWFジャパンでございますが、「辺野古、大浦湾には巨大なアオサンゴ群集を含むサンゴ礁や海草藻場、沿岸には干潟やマングローブ林等が広がるなどさまざまな環境があり、ジュゴンをはじめ多くの野生生物が生息することから、生物多様性の宝庫と評価している」と聞いております。

「復元不可能な自然破壊」(写真撮影のダイバー)

 山下 その海が今どうなっているか。米軍新基地建設工事のために沈められた巨大なコンクリートブロックがサンゴを破壊しております。(パネル(5))

 この写真を撮影したダイバーの方に直接私は話を聞きました。2枚の写真は同じ場所で撮影したものであります。2月19日にはブロックの下敷きになっても形を残していたサンゴが2月25日は完全に破壊されております。

 ダイバーは「復元不可能な自然の破壊がどんどん進められている。一刻も早く止めてほしい」とおっしゃっていました。総理、止めるべきじゃありませんか。

 防衛相 ご指摘のサンゴの件でございますが、その写真は、フロートを伴ったブイのアンカー、コンクリートブロックの設置場所の選定等におきまして、可能な限り環境への影響を回避、低減するための観点から、サンゴ類の群落等への生息場所を避けるために事前に生息状況を調査した上で決定をいたしております。

写真

(写真)パネル 5

 具体的には、アンカーの設置に先立ち昨年6月からサンゴ類の分布状況の調査を行っておりまして、被度5%、これはサンゴ群のサンゴが海底面のどれだけの割合を覆っているかを百分率で表したものでありますが、被度5%以上のサンゴ分布域や直径が1メートルを超える大型サンゴを回避した場所にアンカーを設置をいたしておりまして現在作業をいたしているわけでございまして、この基準に従って環境に配慮しながら工事をしているということでございます。

 山下 総理に伺いたいと思いますが、この場所だけじゃないんですよ。ダイバーの方は、こういうサンゴが破壊された姿がごろごろ見られたと言うんですね。

 沈めたアンカーには太いチェーンが付いておりまして、(フロートが)波で揺れるたびに太い鎖がサンゴ礁をこそげ落としています。そのがりがりやられたサンゴ礁の残骸が海底に転がっている。一刻も早く止めるべきじゃないかと、それを総理に聞いているんです。

 首相 辺野古移設に当たっては、埋め立てによって消失するサンゴ礁を適切な場所に移植するなど、最大限の環境保全措置を講じることとしています。政府としては、今後も引き続き、海上ボーリング調査等の各種作業について、環境保全に万全を期して最適の方法によって作業を進めていく考えであります。

 山下 目の前で破壊されている自然環境にそんな無関心でいいのかと。WWFジャパンは、環境影響評価について不十分だと、「生物多様性に著しい影響を与える」と厳しく指摘しておりますよ。

山下 新基地はキャンプ・シュワブ、辺野古弾薬庫と一体運用だ

外相 米側文書は「能力を拡大」と記述

弾薬搭載エリアも係船機能付き護岸も燃料桟橋も普天間にはなかった

 山下 ここまでして造ろうとしている米軍の新基地とは一体どういうものか。このパネルは、辺野古の海を埋め立てて造られようとしている新基地の全容であります(パネル(6))。普天間基地の滑走路は1本ですが、辺野古の新基地には1800メートルの滑走路が2本造られます。それだけではありません、新基地には弾薬搭載エリアが造られます。これは普天間基地にありますか。

図

(図)パネル 6

 防衛相 普天間基地には弾薬搭載エリアはありません。

 山下 ないということです。したがって、普天間では軍用機に弾薬を直接積み込むことはできません。嘉手納まで行って積む必要があるんですが、辺野古の新基地では新たに広大な弾薬搭載エリアが造られます。

 もう一つ、新基地には船を係留する係船機能付き護岸が造られます。これは普天間にありますか。

 防衛相 普天間にはございません。

 山下 さらに、新基地には燃料桟橋が造られますが、これは普天間にありますか。

 防衛相 地上にありますので、桟橋はございません。

 山下 巨大な艦船が接岸できる係船機能付き護岸、それからタンカーが接岸できる燃料桟橋が造られる。要するに、空だけではなくて海にも展開できる新たな機能が加わるということです。

 しかも、弾薬搭載エリアや係船機能付き護岸は2006年の日米合意「ロードマップ」には記載がありませんでした。護岸は2009年4月の環境影響評価準備書で初めて盛り込まれました。当時、沖縄防衛局は、「米側と協議し、新たなニーズとして出てきて追加した」と説明しています。後から米側の要求が押し付けられている、後出しじゃんけんでいっぱい造られているということであります。

シュワブは兵舎が増える計画、設計図もできている

 山下 それだけではありません。辺野古の海を埋め立てて造られる新基地は、背景地にあるキャンプ・シュワブあるいは辺野古弾薬庫と一体で運用されることになります。一体で運用される基地の面積は現在の普天間基地の約5倍、嘉手納の約1・2倍に相当します。

 そこで伺いますが、米太平洋海兵隊が一昨年策定した基地運用計画、「戦略展望2025」はキャンプ・シュワブと新基地についてどう述べていますか。

 岸田文雄外相 お尋ねの「米太平洋海兵隊施設部隊2025戦略展望」と題する文書には、普天間飛行場の代替施設建設や岩国飛行場の拡張、そしてグアムにおける施設等を通じ、全体として海港や空港の積み下ろしの能力を拡大するという趣旨が記述されております。

 山下 「戦略展望2025」には、キャンプ・シュワブは新基地と一体で「非常に大きく変化」し、「大きく再構成」され、「新しい施設に航空・陸上部隊を受け入れる」と書かれてあります。係船機能付き護岸ができて、船から弾薬を引き上げて辺野古の弾薬庫に運び入れることもできるし、その弾薬を弾薬搭載エリアでヘリに装填(そうてん)することも、あるいはオスプレイで運んでいくこともできるようになるわけですね。

写真

(写真)パネル 7

 「戦略展望2025」は、「戦略的出撃拠点として機能する」と述べております。まさに、新基地と辺野古弾薬庫とキャンプ・シュワブが一体になって「戦略的出撃拠点として機能する」巨大なスーパー基地に生まれ変わるということであります。

 しかも、将来はさらに拡大される可能性があります。これは米陸軍工兵隊太平洋部の2011年の建設計画の説明資料です(パネル(7))。表紙には司令官エドワード・カーチス大佐の名前があります。右側の完成図を見ますと、キャンプ・シュワブの内陸部に30棟以上の施設を建てる計画になっております。

 これは政府が公表している現在の新基地建設計画にはないものです。将来こういうことになるんじゃありませんか。

 防衛相 この移設後の米軍キャンプ・シュワブ内には約4900名が居住する予定ですが、全て単身者でございます。家族帯同の者は基地の外に住むものと承知しておりまして、キャンプ・シュワブの内陸部に家族住宅を建設する計画はございませんし、また家族住宅の建設に向けた協議を行っているわけではございません。

 山下 そう言うんですけれども、私、ここに手にしております平成19(2007)年8月、那覇防衛施設局建設部の資料では、「業務委託特記仕様書シュワブ基本設計」とありまして、その業務内容には隊舎、厚生施設、ユーティリティーに係る基本設計が入っております。その場所を示す地図は、まさにこのアメリカの工兵隊が示している新たな内陸部にエリアが、網が掛かっているんですね。そして、基本設計の履行期間は平成21(2009)年3月31日までと。もう設計図できているんじゃないですか。

 防衛相 まず、普天間飛行場の辺野古への移設後の米軍キャンプ・シュワブ内には、先ほど申し上げましたが、4900名、これが居住することになっておりまして、このために必要となる兵員宿舎については、キャンプ・シュワブ内の内陸部、これは米軍の基地部分ですね、において既存の施設の再配置等により整備する計画ですが、その詳細については現在米側と協議中でございます。

 また、基地内の辺野古ダム周辺については、埋め立て用の土砂を採取して、その後は緑化を行う計画でありまして、兵員宿舎などの施設を整備する計画はありません。

 山下 ここに米軍と同じエリアが示されて、設計を依頼しているんですよ。もう6年前ですよ。できていないはずがないんですよ。

 委員長、私は当委員会にこの設計図を提出することを要求したいと思います。

 岸宏一予算委員長 後刻理事会で協議いたします。

飛行制限空域の限界高度を引き上げる計画も明記

 山下 さらに、この「戦略展望2025」は、「飛行制限空域の限界高度を引き上げるよう沖縄中部訓練地域上空の特別使用空域を日本政府とともに再設計する」と書かれてあります。空域拡大の協議しているんじゃないですか。

 防衛相 日米間でそのような調整を行っている事実はございません。

 山下 アメリカの要求は高度を2倍以上にするものだと、そう言われているんですね。しかも、米側は高度引き上げのために空域を「日本政府とともに再設計する」と、こうありますが、じゃ、協議しないんですね。

 防衛相 現在、ご指摘のような調整を行っているという事実はございません。

 山下 アメリカは「再設計する」と言っています。今後もやらないんですか。

 防衛相 やりません。

 山下 外務大臣、いいんですか。

 外相 はい。ただいま防衛大臣からご答弁したとおりであります。今までもこのご指摘のような調整をやっている事実はありません。引き続き防衛大臣としっかり連携しながら対応していきたいと存じます。

 山下 外務大臣、今後もやらないんですか。

 外相 先ほど防衛大臣からお答えしたとおりであります。

 山下 これまで、いくら「現時点では」と言っても、後から後からどんどん拡大されてきたんですよ。米側、アメリカ側は現に空域拡大も述べている。そして、さっき言ったようなこういう工兵隊の拡大計画がある。国民に真相を隠して最新鋭の巨大な基地を造ることは絶対に許されない、そのことを指摘しておきたいと思います。

山下 強襲揚陸艦が接岸しない保証はあるのか

首相 接岸を前提としない

山下 保証と違う

係船機能付き護岸200メートルが272メートルに延長

 山下 とりわけ、私は、巨大な艦船が接岸できる係船機能付き護岸が新基地に造られることは重大だと思います。

 まず、確認しますが、新基地に係船機能付き護岸が造られることを国民に発表したのはいつですか。

 防衛相 この係船付き護岸については、滑走路が短縮されることによって、故障した航空機を搬出する輸送機が着陸できなくなるために、代わりに運搬船が接岸できるようにするためのものでございます。

 この長さについては、平成21(2009)年4月に公告縦覧した普天間飛行場の代替施設建設事業に係る環境影響評価基準書におきまして、この対象船舶の全長を踏まえて、護岸の総延長の一部を利用してその旨を記載したところでございます。

 山下 そこには係船機能付き護岸の長さは何メートルと書いていますか。

 防衛相 200メートルを旨と記載したところでございますが、その後、平成25(2013)年の6月に公告縦覧した同事業に係る公有水面埋立承認願書におきまして、船舶の係留に必要となるこの係船柱の配置といった詳細を設計した結果、総延長約270メートルの護岸のうち約240メートルを係船機能付きとする旨を記載したところでございます。

 山下 埋立承認願書を見ますと、護岸係船機能付き延長は272メートルとあります。

 200メートルだったのが272メートル、これ係船機能付きと書いていますよ。何で70メートル延びたんですか。

 防衛相 同事業の環境影響評価方法書においては、環境影響評価法及び沖縄県環境影響評価条例に基づいて方法書に記載すべき事項として、対象事業の種類、実施区域の位置、規模の必要な情報について記載をいたしておりますので、それに基づいて長さを記したということでございます。

 山下 200メートルだったのが272メートル、延びた理由は何ですか。

 防衛相 この対象船舶がT―AVB4といいますけれども、この全長が約184メートル、そして護岸の総延長が270メートルの一部を利用して約200メートルといたしましたが、この船舶が係留できるためにはそれ以上の長さと幅が必要でございますので、200メートルという記載をいたしましたけれども、この総延長270メートルの岸壁のうち約240メートル、これを係船機能付きというふうに計画をしたわけでございます。

 山下 270メートル全体が係船機能付きだというふうに埋立承認願書には書いてあるんですね。272メートルに延ばしたことには、私は重要な意味があると思います。

 アメリカ国防総省は、米軍施設の整備を行うに当たっての統一的な基準を作成しております。桟橋や岸壁の設計についても「統一施設基準」があって、空母や潜水艦など艦船の種類ごとに必要な施設の長さや喫水などが示されております。強襲揚陸艦の接岸に必要な施設の長さはどのように書かれていますか。

 防衛相 米軍が施設整備の際に使用する基準については、政府としてはお答えする立場にはございません。

 山下 2005年7月28日付で作成され、公表されている文書ですよ。答えてください。

 防衛相 辺野古に整備する係船機能付きの岸壁については、総延長270メートルの護岸の一部に長さ180メートル程度の運搬船が係留できる……(発言する者あり)はい。その基準は、3月5日に「しんぶん赤旗」に掲載された技術書ではないかと思っております。この当該技術書というのは、係船を係留するためのロープの配置等を検討するために開発された計算ソフトの解説書であって、この岸壁の長さを算定するための基準ではないと承知をいたしております。

強襲揚陸艦も接岸可能に

 山下 今の答弁は、私の質問したことに答えていないですよ。「赤旗」の記事を引用されましたけれども、私が聞いたのはアメリカの国防総省の「統一施設基準」なんですよ。そこに何と書いてあるかと、強襲揚陸艦の接岸に必要な施設の長さ。

 防衛相 長さですね。ご指摘の統一施設基準に記載の数字は269・4メートルでございます。

 山下 公表されているんですから、さっさと言ってください。

 269・4メートルと書かれています。辺野古の新基地の係船機能付き護岸の長さは272メートルですから、強襲揚陸艦の接岸が可能になるということです。防衛大臣、これは間違いありませんね。

 防衛相 わが国で行う米軍施設の整備に当たっては、米側の要望を基に日本の基準等も加味して設計するとしておりまして、米軍の基準をそのまま引用するものではございません。

 仮に、強襲揚陸艦を対象船舶としてこの係船機能付き岸壁の長さを公有水面埋立承認申請と同じ国内の港湾施設に係る基準を用いて計算した場合に約320メートルとなります。これは、係船機能のない部分も含めた護岸の総延長270メートルすら上回ることですから、当該の係船機能付き岸壁は強襲揚陸艦を対象船舶として設計していないというのは明らかでございます。

 山下 そんな日本の基準持ち出しちゃだめですよ。普通の民間の船じゃないですよ。軍艦が泊まるのに必要なのは、これだけあれば泊まれるんだと、そのとおり長さがあるじゃないか。泊められますね。

 防衛相 ご指摘の強襲揚陸艦を対象船舶としてこの係船機能付き岸壁の長さを公有水面埋立承認申請と同じ国内の港湾施設に係る基準を用いて計算した場合は約320メートルになりますので、これは、係船機能のない部分も含めた護岸の総延長の270メートル、これを上回ることから、この係船機能付きの岸壁は強襲揚陸艦を対象船舶として設計はしていないということでございます。(発言する者あり。審議中断)

 防衛相 この269・4メートルというのは、この強襲揚陸艦そのものの長さが記載をされているということでございまして、この艦船の接岸に必要な岸壁の長さではございません。この艦船そのものの長さが269・4メートルということでございます。

 山下 私はホワイト・ビーチ(沖縄県うるま市にある米軍基地)でも見てまいりましたよ、強襲揚陸艦が来ているのを。あそこの長さは、桟橋の長さ、米側が保有している長さは250メートルですよ。十分着いている、それで。サンフランシスコなどなどでも強襲揚陸艦が短い長さの岸壁にはみ出して係留されている姿は幾つもありますよ。可能なんですよ。だから、この272メートルがあれば強襲揚陸艦は接岸可能ですねと聞いているんですよ。

 防衛相 この船の長さが269・4メートルですよね。これを当てはめてみますと、わが国の場合、国内港湾施設に係る基準を用いて計算した場合は320メートル必要だということでございますので、この現在の護岸の総延長270メートルを上回ってしまうわけでございます。(発言する者あり)

「殴り込み作戦」の中核、イラクの虐殺作戦にも参加

写真

(写真)パネル 8

 山下 結局、アメリカが来るか来ないかは決めるんですよ。

 強襲揚陸艦というのはどういうものか。これが佐世保を母港とする強襲揚陸艦ボノム・リシャールであります(パネル(8))。今月初め沖縄を訪ねたときに、米軍ホワイト・ビーチの桟橋に接岸したものを「赤旗」が撮影いたしました。全長257メートルです。国会議事堂の衆議院から参議院までの長さが206メートルですから、これは国会議事堂がすっぽり入る、そういう大きな艦船であります。

 そこで聞きますが、強襲揚陸艦はどのような能力を持ち、どのような作戦を担う艦船ですか。

 防衛相 強襲揚陸艦は、海兵部隊等の輸送能力に加えて、ヘリなどの航空機や上陸用舟艇の搭載能力を有する水陸両用艦艇であると認識しており、現在、米軍はワスプ級強襲揚陸艦8隻とタラワ級強襲揚陸艦1隻の計9隻の強襲揚陸艦を運用しているものと承知をいたしております。

 このワスプ級の強襲揚陸艦は、約1700名の海兵隊部隊の輸送能力を有するとともに、最大3隻のエアクッション艇を収容可能なウエルドックや9機のヘリを同時に運用可能なフライトデッキを有している旨承知をしております。一方、タラワ級強襲揚陸艦は、約1700名の海兵隊部隊等の輸送能力を有するとともに、最大4隻の汎用揚陸艇を収容可能なウエルドックや9から10機のヘリを同時に運用可能なフライトデッキを有している旨承知をいたしております。

 山下 これは、米海兵隊が強襲揚陸艦の装備について説明した資料であります(パネル(9))。今答弁があったように、ワスプ級の場合、オスプレイ12機、ハリアー攻撃機6機をはじめ、掃海・輸送ヘリ、攻撃ヘリ、戦車も運べるホバークラフト型揚陸艇LCAC、水陸両用車両などが搭載されます。その上で、海兵隊員が、私の手にした資料では2000人乗り込むことができる。

写真

(写真)パネル 9

 米統合参謀本部の水陸両用作戦に関する統合ドクトリンは、水陸両用作戦について、「陸上へ部隊を揚陸させる軍事作戦」とか、「敵の海岸への上陸に伴う海から行う攻撃」と定義しております。強襲揚陸艦は、この水陸両用作戦、いわば殴り込み作戦の中核を担う軍艦であります。

 この強襲揚陸艦が実際にどのように運用されているか。防衛大臣、佐世保を母港とする強襲揚陸艦がイラク戦争に参加したことはありますか。

 防衛相 米国の強襲揚陸艦が米軍の佐世保海軍施設に前方展開をしてきたことについては承知をいたしておりますが、その運用の詳細については承知をしておらず、政府としてお答えする立場にはございません。

 山下 母港を提供しながら承知していないとは無責任ですよ。

 もう有名な話ですよ。2004年8月、沖縄国際大学に米軍のヘリが墜落いたしました。このヘリはイラク派遣のための訓練中でした。事故の原因の究明もしないまま、10日後に同じ型のヘリが佐世保を母港とする強襲揚陸艦エセックスに搭載されて、イラクに派遣されました。

 このエセックスの部隊は、イラクでファルージャでの虐殺作戦にも参加し、50人の乗組員の戦死者を出しております。まさに殺し殺される戦闘に兵器と兵士を送り込むのが強襲揚陸艦であります。それが辺野古の新基地に接岸できるようになる。

 総理、ジュゴンとサンゴの美(ちゅ)ら海を殺し殺される「殴り込み」部隊の出撃拠点にしていいんですか。総理、お答えください。

 首相 先ほど既に防衛大臣から答弁をさせていただいておりますが、この岸壁の整備については、滑走路の短縮によって故障した航空機を搬出する輸送機が着陸できなくなるために、代わりに運搬船が係留できるようにするためのものであって、今までずっと委員が強調してこられました強襲揚陸艦を運用をする、それを前提とするものでは全くありません。

 山下 日本政府がいくら「前提としない」と言ったって、辺野古の新基地を運用するのは米軍なんですよ。何の保証にもならないですよ。日本政府として、強襲揚陸艦は絶対に入れないと、総理、保証できるんですか。

 首相 今私が答弁をいたしましたように、強襲揚陸艦の運用を前提とするものでは全くないという点につきましては、これは米軍とも共通の認識であるということもはっきりと申し上げておきたいと思います。

 山下 「前提としない」ということと今後も絶対に入れない保証とは違いますよ。そういうことを保証されているんですか。

 防衛相 ご説明をしたように、この代替施設に係る船舶の接岸用の護岸、これは故障した航空機等を輸送できるように整備するものでありまして、恒常的に兵員や物資の積み出しを機能とするようないわゆる軍港、これを建設する計画はありません。

オスプレイも弾薬も海兵隊員もいっぺんに積める

図

(図)パネル 10

 山下 いくら聞いても「前提としない」しか答えられませんので、次の資料を示したいと思いますが、これは2003年のイラク戦争以来、強襲揚陸艦を中心とする部隊が中東・ペルシャ湾地域に切れ目なくローテーション配備されていることを示す図です(パネル(10))。赤い線の1本1本が、ペリリュー、ワスプ、ベローウッド、エセックスなどの強襲揚陸艦がそれぞれ配備された期間を示しております。現在活動中の一番下のマキン・アイランドまで33回、文字どおり切れ目なく強襲揚陸艦が中東・ペルシャ湾地域に配備されております。

 こういう実態がある下で辺野古に新基地ができたら、(そこで)オスプレイも弾薬も海兵隊員もいっぺんに積むことができる。佐世保を母港とする艦だけではなくて、この新基地が太平洋地域全域で活動する強襲揚陸艦の出撃拠点になるんじゃありませんか。

 防衛相 今お話をされましたけれども、2003年の5月にイラクにおける大規模戦闘任務が終結した以降、米国は、中東地域における戦後のプレゼンスの提供を通じた平和と安定への支援任務、また新イラク政府の再建に資するための環境醸成のために同年の9月から1個遠征打撃群の同地域への配備が開始され、以後ローテーションによって配備が継続された旨を承知をしております。

 こうした中東へのプレゼンス提供に係る取り組みについては現在においても継続をされており、米海軍及び海兵隊は、第5艦隊の責任地域である中東地域においても強襲揚陸艦を含む水陸両用即応群の空母等の部隊とともにローテーション配備することを継続することとしていると承知をしております。

 なお、第5艦隊責任地域内の港を母港とする米海軍の空母及び強襲揚陸艦はないことから、同地域に派遣されている空母や強襲揚陸艦を中心とする遠征打撃群または水陸両用即応群については、他の地域からローテーション配備がなされているものと承知をしております。

すでに大浦湾で繰り返し演習、接岸可能になれば使うのは当たり前

写真

(写真)パネル 11

 山下 さっきのパネルを見ていただいたら分かるように、佐世保からも何回も行っていますよ。それから、太平洋地域から行っていますよ。切れ目ないんですよ。そこに、辺野古に新基地ができて接岸できる機能ができたら、本当に来ないのかと。

 既に強襲揚陸艦は、あるいは一緒に行動する揚陸艦は、大浦湾に来て軍事演習をしております。(パネル(11))

 このパネルは、大浦湾でオスプレイの着艦訓練を行っている揚陸艦の写真であります。海兵隊のホームページに掲載されておりました。この説明文、英文見ていただいたら、最初に「OURA―WAN」とはっきり書いてあります。大浦湾にやってきて、強襲揚陸艦が軍事演習をやっていると、この事実をお認めになりますね。

 防衛相 それはホームページに掲載されているものではないかと思いますが、しかし、在日米軍は日米安保条約の目的達成のためにその高い機動力等を活用してさまざまな海域、空域で訓練を行っているものと承知をいたしておりますが、他方で、訓練を実施しているからといって、その場所に訓練を実施する部隊が配備をされるということではございません。いずれにしましても、辺野古に移るのは普天間の有する機能のうちオスプレイなどの運用機能のみでございまして、米海兵隊の新たな一大拠点になるという指摘は当たらないわけでございます。

 山下 この写真の船だけではないんですよ。私が3月4日、ホワイト・ビーチで確認した強襲揚陸艦ボノム・リシャールも、ホワイト・ビーチに行く前に大浦湾で水陸両用車両を使った上陸訓練をやっていたということが確認されております。既に大浦湾に何隻も揚陸艦、強襲揚陸艦が来ている。ここに基地ができたら利用するのは当たり前じゃないですか。

 防衛相 これは、辺野古に移るのは普天間基地の有するオスプレイの運用機能のみでございまして、海兵隊の新たな一大拠点になるという計画もございません。

 山下 運用するのは米軍ですからね。ここまで、大浦湾までもう強襲揚陸艦入って訓練やっている、上陸訓練もやっている、その大浦湾の辺野古に強襲揚陸艦が接岸される港ができたら、岸壁ができたら、来ないはずないじゃないかと言っているんですよ。総理、ずっと否定できるんですか。

 首相 先ほど申し上げましたように、強襲揚陸艦を運用するということを前提にするものでは全くないということは重ねて申し上げておきたいと思います。

 山下 私がいろんな事実を紹介しても否定されるだけです。しかし、否定されても、運用は米軍ですからね。

山下 沖縄が半永久的に基地の島になる、新基地断念を

 山下 米国防総省の報告書では、新基地について「40年の運用年数と200年の耐用年数を持つ」と記されております。沖縄が半永久的に基地の島になってしまう。侵略のための「戦略的出撃拠点」となってしまう。それでいいのかと。「建白書」を受け取ったのは総理ですよ。この「オール沖縄」の声に応えて、辺野古での新基地建設を断念すること、「普天間基地の無条件撤去」「オスプレイの撤去」をアメリカに要求することこそ日本の総理としてやるべきことだと思います。

 日本政府がどんな強権をもってしても、沖縄は決して屈しないでしょう。日本共産党は沖縄県民と固く連帯してたたかいますが、同時に、これは沖縄だけの問題ではありません。こんなことが許されるなら、日本は民主主義の国ではなくなってしまいます。必ずや日本国民全体が沖縄と連帯する道を選ぶでしょう。そのことを指摘して、質問を終わります。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって