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2015年3月20日(金)

「排除のない地域に」

米州機構 新事務総長 キューバ念頭に

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 【ワシントン=島田峰隆】米州35カ国が加盟する米州機構(OAS)は18日、新しい事務総長を選出する特別総会をワシントンで開き、南米ウルグアイのルイス・アルマグロ前外相を賛成多数で選びました。米国を含む33カ国が賛成しました(反対ゼロ、棄権1)。5月下旬に就任し、任期は5年です。

 アルマグロ氏は駐中国大使などを務めた後、2010年3月から今年3月までムヒカ前政権の外相を務めました。中南米カリブ海の全33カ国でつくる地域共同体「中南米カリブ海諸国共同体」(CELAC)や南米諸国連合(UNASUR)など対米自立の地域統合を推進しました。

 同氏は選出後の演説で「OASを中米、南米、北米、カリブ海のどの国民であれ、すべての米州の人々にとって有益な機関にする」「連帯がその主要な柱だ」と語りました。

 特に、今年4月にパナマで開かれる米州サミットを「米州を排除のない地域に変える歴史的機会」として成功させる姿勢を強調しました。同サミットはOAS加盟国に参加資格がありますが、米国の敵視政策でキューバは排除されてきました。中南米諸国の要求を受けて今年はキューバが初めて参加し、すべての米州諸国がそろう予定です。

 アルマグロ氏は、市民の安全、紛争予防、自然災害への対策、教育充実などに取り組むと表明。OASの機能が停滞しているとの指摘を念頭に「危機の管理者ではなく、機構を刷新する促進者になりたい」と述べました。

 ブリンケン米国務副長官は、オバマ大統領が09年に「中南米諸国との新しい対等な関係」を約束したことに触れ、「他の国々とともに新事務総長の選出を祝い、全面的な支援を約束したい」と語りました。


 米州機構(OAS) 1948年に米州大陸の国々が米州機構憲章に調印して発足した地域機構(51年発効)。米国、カナダ、中南米33カ国の計35カ国が加盟。62年には米国の圧力のもとキューバ革命政権の資格停止決議を採択して同国を排除。同決議は2009年に無効とされましたが、キューバはOASへの復帰を拒否しています。


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