2015年3月19日(木)
自公協議で「戦争立法」骨格合意へ
米の戦争に「切れ目なく」参加
自民、公明両党は18日、集団的自衛権の行使容認の「閣議決定」(昨年7月1日)を具体化する戦争立法の骨格について大筋合意しました。
法制の主な柱立ては、(1)武力行使する米軍その他の軍隊の後方支援を、いつでも、世界中のどこでも、どんなケースでも可能にする自衛隊海外派兵の恒久法を制定、(2)米国の戦争に参加する集団的自衛権行使の根拠を自衛隊法などに創設、(3)国連PKO(平和維持活動)や他国領域内での治安維持活動のための派兵法制定です。世界中で米国が行うあらゆる戦争、軍事活動に「切れ目なく」参加、支援する体制です。
同日の与党協議会で、座長の高村正彦自民党副総裁と座長代理の北側一雄公明党副代表が共同で合意案を提示。自公それぞれの党内論議を経て、20日に正式合意する見通しです。
18日の与党協議会の冒頭、高村氏は「現時点で共通の認識を持つに至ったと思われる点を2人でまとめた。正式には20日午後の会合で了承を得られたらいい」と述べました。その上で、政府が4月中旬までに法案の原案をまとめるのを受け、与党協議を再開する意向を示しました。北側氏は「残された課題は主要な条文案を見て審議する」としました。
政府は与党協議を踏まえ、5月の大型連休明けの法案提出を目指し、今国会中の強行成立を狙っています。
合意案では、公明党が自衛隊の海外派兵に関して求めていた「国際法上の正当性」「国民理解と民主的統制」「自衛隊員の安全確保」などを、法整備の前提となる方針に位置付けるとし、これを受け、公明党は恒久法制定を受け入れました。しかし焦点となっていた国会の事前承認は「基本」とされ、例外を認めるものとなっています。
一方、周辺事態に代えて新たに「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」との概念を設け、米軍以外の他国軍も支援できるよう周辺事態法を改定します。事実上の地理的制約がある「周辺」の削除を公明党が容認。「国際貢献」目的の恒久法との二本立てで、米軍等の武力行使を世界中で支援する枠組みとなります。 (関連記事)