2015年3月17日(火)
防衛省の共同基地化構想
沖縄、半永久的な基地負担に
「辺野古新基地に自衛隊配備」―。日本共産党の穀田恵二議員が3日の衆院予算委員会で暴露した防衛省内部文書は、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設の動きに怒る県民に新たな衝撃を与えました。しかし、同文書に示された計画は、これだけではありませんでした。
2012年7月に民主党政権下で作成された同文書(「沖縄本島における恒常的な共同使用に係わる新たな陸上部隊の配置」)には、南西諸島での自衛隊部隊の増員を検討する中で、沖縄本島にある米軍基地を自衛隊と共同基地化する構想が提示されています。
同文書は、同年4月の日米外交・軍事閣僚からなる「2プラス2」共同発表で定式化された(1)共同訓練(2)共同パトロール活動(3)基地の共同使用―で軍事一体化を進める「動的防衛協力」構想の具体化を検討した資料とみられます。
安倍政権下で作成された13年2月の内部文書も、「動的防衛協力を推進・拡大する」と明記しています。現行の防衛大綱では「南西地域において、米軍施設・区域の自衛隊による共同使用を進める」としており、在沖縄米軍基地の共同使用拡大は既定路線です。
しかし、沖縄県民には、沖縄戦で旧日本軍の作戦に動員され、集団自決まで強いられるなど痛苦の経験が刻まれており、自衛隊増強の動きには強い反発が避けられません。
また、米軍基地の共同使用という形で自衛隊基地の拡大を許せば、仮に将来、米軍が撤退した後も半永久的に沖縄は基地を背負い続けることになります。(池田晋)