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2015年3月17日(火)

主張

「政治とカネ」疑惑

腐敗の温床 企業献金禁止こそ

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 2015年度予算案審議の舞台が衆院から参院に移りましたが、西川公也前農水相が辞任した国から補助金を受け取っていた企業からの献金問題や、下村博文文科相の学習塾業界の任意団体からの献金疑惑など、「政治とカネ」の問題は解明がつくされないまま持ち越しとなっています。国会での疑惑の解明と責任の追及を続けるとともに、改めて浮かび上がってきた、腐敗の温床となっている企業・団体献金をただちに全面禁止することが重要です。

抜け道ふさぐ全面禁止を

 安倍晋三政権のもとでの「政治とカネ」の問題は、昨年の第2次政権での小渕優子経産相や松島みどり法相の辞任に続き、第3次政権になってからも西川農水相の辞任や、望月義夫環境相、下村文科相の疑惑など、後を絶たない状態です。半年間で3人の閣僚が辞任するのはまさに異常事態です。一部には補助金を受け取っている企業などからの献金は野党議員ももらっているからなどとして“相打ち”で済まそうとする動きもありますが、閣僚の辞任が相次ぐ事態に対し、徹底糾明の責任を果たし、抜本的な対策を講じるのは政府と国会の重大な責任です。

 とりわけ、西川氏らの補助金を受け取っている企業からの献金問題や、下村氏の献金疑惑は、企業・団体献金が政治腐敗の温床になっていることを浮き彫りにしています。補助金を受け取っている企業などの献金禁止は、企業・団体献金の「質的規制」のひとつです。下村氏の献金問題は、政治資金の透明性にとどまらず、献金で政治をゆがめた疑惑です。個々の疑惑の解明と責任追及にとどめず企業・団体献金に抜本的なメスを入れることが不可欠です。

 企業は営利が目的で、政治家や政党に献金するのもそのためです。会社の金で献金してもうけにつながらなければ経営者は背任で追及されます。逆にもうけにつながれば、企業も政治家も贈収賄の罪に問われます。営利が目的の企業の献金は、政治をゆがめる腐敗政治の温床そのものです。

 憲法15条は、国会議員など公務員を選定し、罷免するのは「国民固有の権利」と定めています。企業は主権者でなく選挙権もありませんから、金の力で政治を左右するのは国民固有の権利を妨げることにしかなりません。政治家個人はだめだが政治家が代表を務める政党支部ならいいとか、献金の上限額や質的制限を守っていればいいなどというのは、企業・団体献金の全面禁止を免れるための「抜け道」です。資金集めのパーティー券購入ならいいというのも同じです。抜け道をふさぐには、全面禁止するしかありません。

助成金との二重取り論外

 もともと企業・団体献金は、リクルート事件やゼネコン献金など金権腐敗事件が相次いだ1990年代初め、税金で負担する政党助成金の導入と引き換えに、禁止が合意されていたものです。以来20年間、さまざまな抜け道で企業・団体献金は続けながら、政党助成金と二つの財布を持ち続けてきたこと自体、国民を裏切るものです。

 日本共産党は企業・団体献金も政党助成金も受け取っていません。政党助成金も企業・団体献金も廃止し、国民の浄財で政党の財政を賄うことこそ、国民本位のまともな政治を実現する第一歩です。


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