2015年3月11日(水)
知りたい 聞きたい
「債務の株式化」ってなに
「債務の株式化」という言葉を聞きましたが、どういうことでしょうか。「債務の証券化」という言葉もありますが。(神奈川県・女性)
自社株を渡して借金を返す
「債務の株式化」とは、お金を借りている企業が債権者に、負債と同額の自社株式を渡し、株主になってもらうことです。自社株で借金を返すことになります。
企業側にとっては、借金が減って自己資本が増強されます。財務状態が改善し、銀行から融資を受ける条件が有利になるなどプラスの効果が見込まれます。債権者は、お金を貸していた企業の出資者になり、配当を受けたり、受け取った株を転売したりすることで利益を得ることができます。
民間信用調査会社、帝国データバンクが、「債務の株式化」が増えた2002年以降、3回にわたって集計結果を発表しています。04年は46件、総額9112億円でした。
「債務の証券化」とは、住宅ローンなどの債権・債務を担保にして有価証券を発行し、金融市場で売ることです。他人の貸し借りをもとにして金融商品を発行するわけです。お金の借り手の信用が低ければ、証券化商品の利回りも高くなります。危ないものに投資するほど利益が大きいというわけです。しかし、借金の借り手が破産すれば、証券化商品も成り立たなくなり、投資したお金も戻りません。
(2015・3・11)