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2015年3月5日(木)

「政治活動とは無縁」というが

下村文科相の「博友会」疑惑 2万円会費の懇親会など開催

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 安倍首相の「盟友」の一人、下村博文文部科学相(衆院東京11区)にもちあがった「政治とカネ」疑惑。下村氏を講演に呼び、金を集め、パーティーなどを開く全国にある「博友会」という名の「任意団体」とは―。 (藤沢忠明)


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(写真)「博友会」の事務所があるとされる雑居ビル=東京都中野区

 下村氏は、みずから全国に六つあると認めている地方の「博友会」について、「学習塾経営者らで構成する懇親のための団体。政治資金を集める団体ではなく、運営にもタッチしていない」(2月26日、衆院予算委員会)と弁明しています。

 しかし、中四国博友会が規約で「下村氏の政治活動を支援する」ことを目的に掲げているように、本来なら政治団体として選挙管理委員会に届け出をすべきものです。

 地方の「博友会」が無届けの一方、東京都選管には、「博友会」が政治団体として届け出られています。2013年の政治資金収支報告書によると、東京都港区の東京プリンスホテルで6回の講演会と1回のセミナーを開催、2997万円を集め、200万円を下村氏が支部長を務める「自民党東京都第11選挙区支部」に寄付しています。(図参照)

担当も番号も同一

 この「博友会」の「主たる事務所の所在地」は、東京都中野区のJR中野駅そばの雑居ビル4階。昨年11月、本紙が訪ねてみると、「第11選挙区支部」に12万円の献金(13年)をしている学習塾運営会社と、関連会社が入居しており、同社は本紙に「博友会に事務所を貸したことはない」と答えました。

 第11選挙区支部と下村氏の資金管理団体「博文会」の会計責任者と事務担当者を兼任する下村氏の政策秘書が、この博友会の会計責任者と事務担当者も兼任。電話番号も3団体とも同一で、博友会そのものが、政治資金を集めるためだけの“ペーパー政治団体”の可能性があります。

 近畿博友会の事務局を務める学習塾のホームページによると、13年4月20日、大阪市内のホテルで「セミナー」を開催。12年12月に第2次安倍内閣で文科相に就任した下村氏に対する「お祝いの気持ちと、日ごろのご支援・ご協力への感謝の気持ちを込めて」下村氏の講演会と懇親会を会費2万円で開催しています。案内によると、「今回は本会の枠を拡大してご案内をさせていただいている」としています。

 下村氏の出身地、群馬県にも博友会があり、同県高崎市のホームページによると、高崎市教育長交際費として、「第5回群馬博友会セミナー懇親会会費」として1万315円を支出していることが記載されています。

 特定の政治家の名前をあげ、会費を集め、恒常的に懇親会やセミナーを開いていることは、政治団体そのものです。

地方には“口止め”

 各地の博友会をまとめる「全国博友会」という団体の存在も指摘されています。3日の衆院予算委では、下村文科相の政務秘書官が地方の博友会幹部にメールで口止めをした疑惑が取り上げられました。

 政治団体の届け出をせず、資金集めをおこなうことは、政治資金規正法の趣旨に反するものです。ましてや、下村氏は、1996年の初当選以来、文部科学政務官や自民党教育再生実行委員長などを歴任し、文科相に就任した経歴の持ち主。教育行政の長が、所管業界から感謝される「日ごろのご支援・ご協力」とは…。「私の政治活動とは無縁」という説明ではすみません。

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