2015年3月5日(木)
新基地岸壁 271.8メートル 揚陸艦接岸基準と一致
米軍公開文書 辺野古 巨大軍港化裏付け
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地に設置が計画されている岸壁の長さ(271・8メートル)が、強襲揚陸艦の安全な係留に必要とされる長さと一致していることが、米軍の公開文書から明らかになりました。新基地に巨大な軍港機能が付加され、米海兵隊の一大出撃拠点になる危険性が改めて裏付けられました。
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文書は、米海軍施設エンジニアリング・サービスセンター(NFESC)が米海軍の指示で作成した技術書(1998年5月)で、沖縄環境ネットワークの真喜志(まきし)好一世話人が発見しました。
同文書は、ノーフォーク海軍造船所(米東部バージニア州)の第5埠頭(ふとう)を例示し、全長257メートルのワスプ級強襲揚陸艦(LHD1)が49ノット(秒速25メートル)の風でも安全に係留できる距離が271・86メートルであることを示しています。(図)
米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)に配備されている強襲揚陸艦ボノム・リシャール(写真)もワスプ級です。同艦は在沖縄米海兵隊が派兵する際、ホワイトビーチ(うるま市)に寄港して部隊や装備を積んでいます。辺野古への係留が可能になれば、新基地に配備される垂直離着陸機MV22オスプレイや戦闘部隊を直接積み込むことができます。
沖縄防衛局が2012年12月に提出した辺野古新基地の環境影響補正評価書では、岸壁の長さは200メートルでした。ところが13年3月の埋め立て申請書で271・8メートルに延ばされていました。
安倍晋三首相は「岸壁の整備は運搬船の接岸のため。強襲揚陸艦の運用を前提とするものではまったくない」(2月17日、衆院本会議)などと述べ、軍港機能を否定しています。
しかし、政府が想定している「運搬船」の全長は183・5メートルにとどまり、係留に必要な距離は最大でも238・1メートルにとどまることが、埋め立て申請書にも明記されています。
真喜志氏は「なぜ271・8メートルなのか。政府は具体的な根拠を示すべきだ」と指摘します。