2015年3月1日(日)
消費税増税11カ月 値上げ連続 凍える消費
家庭は節約で対抗するが…
2014年4月に消費税が8%に増税されて1日で11カ月。身近な商品の値上げもあいまって、庶民の暮らしを圧迫しています。(川田博子)
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茨城県日立市に住む松井優子さん(仮名、30歳)は夫と1歳の娘との3人家族です。「住宅ローンの返済に加え、何を買ってもとられる消費税。やりくりが大変です」と話します。
最近、デスクパソコン、娘の成長記録用のデジタルカメラを購入。消費税8%の重みをさらに痛感しました。
「最近、牛乳やトイレットペーパーが値上がりした」という田中麗さん(仮名、32歳)も、出費の抑制に頭を悩ませます。「2人の息子に安全でおいしい物を」と食品添加物や農薬の少ない物を購入するため、食費はなかなか削れません。それでも、特売の肉類をまとめ買いし小分けして冷凍保存、夫と自分の保険の掛け金を減額するなど、「ささやかな節約を積み重ねています」。
アサヒグループホールディングスの研究所が今年2月に行った節約についての意識調査(回答1419人)で、「節約を意識している」と答えた人は9割。節約目的(複数回答)にそれぞれ4割が「消費税増税」「長引く経済不況」「老後の生活不安」をあげました。「増税のため、買い物するときには必要な物しか買わなくなった」(女性、20代)などの声が寄せられ、「税負担が家計をひっ迫させる一番の負担になっている」と指摘しています。
「円安」による原材料費や包装資材費の高騰を理由に、昨年は、ハムやソーセージ、バターやチーズ、ちくわ、コピー用紙、キッチンペーパーなどが値上げされました。
1月以降も、即席麺や食用油、スパゲティ、カレールーなどが値上げされ、今後も続きます(表参照)。
総務省発表の15年1月の家計調査によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は28万9847円、物価変動の影響を除く実質で前年同月比5・1%の減少でした。10カ月連続のマイナスです。
庶民は財布のひもをますます固く締め、日本経済は冷え込み続けています。
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