2015年2月28日(土)
安保法制 与党協議資料
自衛隊派兵の恒久法
国と社会の軍事化
27日の安保法制与党協議会に政府が提出した資料で、自衛隊海外派兵の恒久法の「必要性」が説明されています。
恒久法とは、いつでも世界のどこにでも、どんなケースにでも自衛隊を派兵し、武力行使する他国軍隊の支援活動を可能とする法律です。従来、アフガニスタンでの米国の戦争に対しインド洋で給油支援を行ったり、イラクで継続する米国の戦闘を支援するための輸送活動を行うために、そのつど「特別措置法」がつくられました。
政府資料が強調する恒久法の「メリット」は何か―。常日ごろから派兵の準備を整える法的根拠ができるので、国際情勢の調査や情報収集、訓練が可能となり、装備品の新規調達も迅速に行えるようになる、というのです。(図)
まさに憲法9条のもとで、軍事が日常化し、海外での軍事活動に備える体制がつくられます。
恒久法のもとでも、自衛隊の派兵に際しては、実施すべき活動内容やその背景、必要性について政府側から明確に国会に説明し承認を求めるなどとしています。
しかし、恒久法のもとでは、いつでもどこでも自衛隊を海外に出すという法律の存在が前提です。派兵先や活動内容などの具体的計画の立案は政府に「白紙委任」された状態で、国会がこれを追認する枠組みとなります。国会承認といっても、行政判断を「尊重」する流れが強まります。ここに恒久法のもう一つの「メリット」があります。
緊急性の名の下に「事後承認」がむしろ通例化する危険もあり、計画内容についても「秘密法」を盾に十分な説明が行われないことも多くなります。
(中祖寅一)
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