2015年2月27日(金)
知りたい 聞きたい
赤字貿易続くと外貨準備は
貿易収支の赤字が続くと、外貨準備がなくなってしまうのではありませんか。(男性)
両者に関係はありません
貿易収支と外貨準備の間にそのような関係はありません。実際、日本の貿易収支は今年1月まで2年7カ月連続の赤字でしたが、そのために外貨準備が減ったなどということはありません。
外貨準備は、外国為替資金特別会計法に基づく外国為替資金など外貨か外貨の代わりになる資産をいいます。政府(財務省)が保有し、運用を日銀に委託しています。
外貨準備は、外貨取引(外国為替)で交換比率(レート)が急変した際、レートを安定させる市場介入(平衡操作)を行うための資金です。例えば、円が安くドルが高くなりすぎると、政府・日銀はドル売り円買いの介入を行います。その際、売るドルに外貨準備が使われます。
政府が外貨を一元管理していた時代は、外貨準備は外国への支払いの最終的な手段でした。しかし、現在、外国為替が自由化され、外貨を自由に調達できるので、政府が外国への支払い手段として外貨準備を持つ意味がなくなっています。
外貨準備の原資は、外国為替特別会計法に基づいて発行する外国為替資金証券(債券)です。その証券で調達した円を外貨に替えたものです。1月末の外貨準備の総額は、1兆2611億300万ドルでした。
(2015・2・27)