2015年2月27日(金)
きょうの潮流
「新聞の主人公はだれでしょうか」。ある編集講座で講師が問いました。答えは「読者」でした▼では読者が求めているのは何か。「読者にかわって権力を監視すること」と先輩ジャーナリストたち。その使命を忘れたら戦争に協力した戦前の二の舞いになると元大手メディア幹部。権力との緊張関係が民主主義をはぐくみます▼地方政治でも監視役は欠かせません。メディアはもちろん、議会の役割は大きい。主権者は知事や市町村長を選び、地方議会の議員を選ぶことができます。議会は首長をリーダーとする行政をチェックします。暴走しないように。これが二元代表制です▼それをまったく理解していない政治家がいます。というか、破壊しようとしているというべきか。橋下徹大阪市長、「大阪維新の会」代表です。大阪市をなくす「大阪都」構想にご執心です。議会で構想案が否決されても、あの手この手で公明党の態度を豹変(ひょうへん)させて「住民投票」で決着をつけようとしています▼歯向かう議会をつぶすのも「大阪都」構想の「目的」だというのですから驚きです。なるほどね、首長に権限を集中し、言うことをきかない議会なんかいらないということですか。そういうのを、「独裁」というのではないですか▼橋下氏と「訣別(けつべつ)」した、竹山修身(おさみ)堺市長は「議会とはいい緊張関係にあり、堺では二元代表制が機能しているのではないか」といいます。その議会をつぶしてどこへ行く、橋下さん。安倍首相との改憲へ向けたエール交換が不気味です。