2015年2月25日(水)
きょうの潮流
おごる平家は久しからず―。平安時代、栄華を極めた平氏。全盛期には平時忠が「平家にあらずんば人にあらず」と言い放ったとか。しかし周りから反感を買い、基盤はもろくも崩れ、内乱の果てに没落しました▼古今東西、似たような話はいくつも。いくら権勢を誇っても、おごり高ぶり、民心が離れていけばやがて滅びる。歴史上のどんな権力や政権にも相通じる教訓でしょう▼政治資金の問題でまたまた安倍政権下の大臣が辞任しました。今度はTPPを進めながら、利害が絡む企業から献金を受けていたという西川農水相。これまでも数々の疑惑を指摘されてきた本人は「いくら説明しても、わからん人にはわからない」と開き直っています▼これでこの4カ月で3人目の辞任。安倍首相は「任命責任は私にある」と口にしますが、「法律上は問題ない」などとかばいつづけました。政治とカネの問題について、みずからのモラルもゆがんでいることをあらわにしています▼そのうえ、野党の追及には敵意むき出しに事実無根のヤジを飛ばす始末。その異常な言動は、共産党の小池晃議員が過激組織ISの日本人殺害事件をめぐって、この間の政府の対応をただしたときにも表れました。「まるでテロリストを批判してはならないような印象を受ける」▼異なった意見や批判は受けつけない。数の力を背景にわが道を行く。今年は自民党結党60年。至るところで国民にあらがい、先鋭化していく。ますます劣化する政党の姿がここにあります。