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2015年2月24日(火)

きょうの潮流

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 衝撃的な数字でした。「1784本」から「76本」に激減する―。東京・新宿区の国立競技場が、新国立競技場となったときの敷地内の樹木数です。日本学術会議「都市と自然と環境分科会」の提言にあります▼2020年東京五輪・パラリンピック主会場の新国立(8万人収容)は問題が多い。「地球環境に配慮した設計」をうたいつつ、高さが現在の27メートルから70メートルの巨大な建築物へ。景観を守る「風致地区」にふさわしくないと建築界や市民運動家から反対の声が上がって久しい▼建設費は当初1300億円、横浜の日産スタジアム(7万人)二つ分でした。昨年の基本設計で約1600億円に上昇します。しかも、これは消費税5%時の計算。建築資材の高騰も含め、さらに膨らむのは必至です▼現実にいくらなのか。解体が始まったいまも国は明らかにしません。「批判を浴びるから数字は出せない」との話も聞こえてきます▼欧州の公共建築物には「市民の声が反映される」と建築家の槇文彦さん。古代オリンピックの舞台となったアテネ。あのパルテノン神殿も「細部までが民会の決議、市民共同体直接の意思で決定されたと聞く」(『新国立競技場、何が問題か』)と指摘します▼翻って新国立。情報公開が不十分で市民の改善の声にも冷たい。提言をまとめた研究者はいいます。「先人は神宮の森など多くの緑のインフラを残してくれた。今回、私たちは何を残せるか。それが問われている」。日本の民主主義もまた問われています。


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