2015年2月19日(木)
首相は否定するが 辺野古「巨大基地」は明らか
「移設条件」つきが「普天間固定化」の最大要因
日本共産党の志位和夫委員長は17日の衆院本会議で、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を強行する政府の姿勢を厳しく追及しました。これに対して、安倍晋三首相は色をなして反論しました。しかし、首相の言い分はとうに破たん済みのものばかりです。
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首相は住宅地のど真ん中にある普天間基地の「固定化は絶対に避けなければならない」として、辺野古「移設」が、唯一の解決策だと述べました。
すでに審判下る
しかし、日米の「返還」合意から19年たっても普天間が動かないのは、「移設条件」つきだったからです。「辺野古移設」への固執こそ、普天間「固定化」の最大の要因です。
普天間基地を抱える宜野湾市民は、だれも「固定化」を望んでいません。だからといって、同じ沖縄県民に苦しみを押し付けることを望んでいません。昨年11月の県知事選で、辺野古新基地ノーを掲げた翁長雄志氏が、新基地推進の現職に約3000票差をつけ、続く総選挙では翁長氏を支える「オール沖縄」候補が、自民候補に約6000票差をつけたように、宜野湾市の有権者も、すでに審判を下しています。
志位氏は、辺野古の新基地は、「単なる普天間基地の移設ではない、はるかに巨大な新基地になる」と指摘。(1)滑走路が現在の1本から2本になる(2)強襲揚陸艦が接岸可能な軍港機能が設けられる(3)普天間基地にない弾薬搭載エリアが設けられる―などをあげ、海兵隊の一大拠点がつくられると指摘しました。
首相はこの指摘は、「全く当たらない」として退け、「負担軽減」だと主張しました。
首相があげたのは、(1)辺野古の埋め立て面積は普天間基地の3分の1になる(2)滑走路を2本にするのは、離着陸ともに海上にするため(3)軍港機能の整備は運搬船が接岸できるようにするため。強襲揚陸艦の運用は前提にしていない(4)普天間の有する三つの機能のうち、辺野古に移るのはオスプレイなどの運用機能のみ―などの点です。
何の担保もなし
しかし、首相がどう言おうが、現在の普天間基地にない軍港機能や弾薬搭載エリアが計画されているのは事実です。また、米軍は占領時代から、沖縄本島全域に点在している基地を1カ所に集約しようと狙っていましたが、予算の問題などで実現しませんでした。
今度は、これを日本国民の税金でやってくれるのだから、願ったりかなったりです。
そもそも、米軍は日米地位協定3条により、基地の排他的な管理権を持っています。どのような装備を配備し、どのような訓練をしようが自由勝手です。いくら首相が「強襲揚陸艦はこない」「オスプレイ以外は飛ばない」などと答弁しても、何の担保にもなりません。
飛行経路を海上に限る、という点についても、防衛省が作成した辺野古新基地の環境影響評価書にも、配備される米軍機が、「運用上の所要等により(場周経路から)外れる場合がある」と明記しており、集落の上空を飛行する可能性を政府も認めています。
閉鎖・撤去こそ
首相が言う「辺野古新基地=負担軽減」論は、すでに昨年の県知事選、総選挙で沖縄県民によって否定されています。首相はそのことを受け止め、普天間基地の即時閉鎖・撤去に踏み切ることが、政府がとるべき道です。(竹下岳)