2015年2月19日(木)
現場の声示し 暴走ただす
山下書記局長が代表質問 震災・原発、暮らし、農業、核廃絶で対案
参院本会議
「人々の切実な願いにこたえ、絶望を希望に変え、よりよい社会へ進歩させていく。ここにこそ政治の役割がある」。日本共産党の山下芳生書記局長は18日の参院本会議で代表質問に立ち、震災・原発事故、国民の暮らし、農業などの問題で安倍政権の基本姿勢と政策をただしました。山下氏は、安倍政権が突き進む「道」には、国民の多くが希望を見いだせないことを、現場の声を交えて告発し「希望ある道」への転換を求めました。
(山下書記局長の代表質問)
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山下氏は、安倍晋三首相が「福島の復興なくして日本の再生なし」といいながら、原発事故による商工業者の営業損害賠償打ち切り方針を示し、特定避難勧奨地点の指定解除を強行したことを批判。「到底納得できる内容ではない。怒りを覚える」「街には戻れないのに、慰謝料だけが打ち切られる」という業者や住民の声を紹介しながら、「加害者である国と東電が、賠償と除染の責任を果たしきることは『福島の復興』への大前提ではないか」と迫りました。また、原発再稼働をやめ、「原発ゼロ」の政治決断を求めました。
首相は「営業損害の賠償は東電が資源・エネルギー庁と検討を進めている」というだけ。原発については「新基準に適合すると認めた原発は、再稼働を進める」「責任あるエネルギー政策を実現するために原発ゼロというわけにはいかない」と背を向けました。
さらに、山下氏は、「アベノミクス」のもと18カ月連続で実質賃金が減少するなか、安倍政権が国民に示したメニューは「雇用ルールの破壊、社会保障の切り捨て、消費税の再増税にほかならない」と批判。昨年1年間の家計消費が、この20年間で最大の落ち込みとなったのは、昨年4月の消費税増税が「一番の原因だ」として、消費税10%への増税の中止を主張しました。
首相は「消費税引き上げの影響を除いてみれば(実質の総雇用者所得は)昨年6月以降プラス」と答弁。増税の影響を無視して「(10%増税は)確実に実施する」と述べました。
山下氏はまた、安倍政権が進める農協「改革」は「現場の声や必要性から出発したものではない」として、「改革は、協同組合にふさわしく自主的に行うべきだ」と主張しました。首相は、農産品のブランド化や海外展開などのうたい文句で幻想を振りまき、「意欲ある稲作農業の担い手が活躍できる環境を整備していく」と農協解体を正当化しました。