2015年2月18日(水)
西川農水相、国政復帰後の2013年
農林献金1.6倍
林野庁の事業で国の補助金をもらっていた企業からの違法献金疑惑が浮上した西川公也農水相の政党支部が、こんどは農水省の事業で補助金を受けた砂糖業界から―。本紙の調べで、西川氏は国政復帰後の2013年に、落選中だった前年より1・6倍の農林関係の献金を集めていたことが判明。農水相の関係業界との密接すぎる関係は、その適格性を問うものとなっています。 (藤沢忠明)
業界との密接すぎる関係
西川氏は、1996年の衆院選で初当選。09年8月の衆院選で落選し、12年12月の衆院選で国政に復帰し、14年9月に農水相に就任、同年12月の衆院選で6選をはたしました。この間、衆院農水委員長や自民党農業基本政策委員長などを歴任した農水族の有力メンバーです。
資金パーティー
西川氏が支部長を務める「自民党栃木県第2選挙区支部」の政治資金収支報告書によると、同支部は、西川氏が国政復帰後の13年に、「励ます会」「励ます昼食勉強会」名目の資金集めパーティーを3月、6月、10月と開催、計6510万円を集めています。
このうち、20万円超のパーティー券購入者には、林野庁の補助金を受給した木材加工会社「テクノウッドワークス」(栃木県鹿沼市)の100万円はじめ、日本養鶏政治連盟250万円、日本養豚振興政治連盟90万円など農林関係がズラリ。
今回、農水省の補助金交付を受けていたことが明らかになった砂糖メーカーの団体「精糖工業会」が運営するビル管理会社「精糖工業会館」も40万円分のパーティー券を購入していました。
企業・団体献金では、精糖工業会館が補助金決定4カ月後の100万円のほか、決定2カ月前に30万円。精糖工業会関連の塩水港精糖(東京都中央区)50万円、三井製糖(同)、大東精糖(千葉市)各10万円など。
日本酪農政治連盟10万円、テクノ社社長の100万円の個人献金などをあわせると、農林関係の資金提供は、1110万円にのぼりました。
12年は、テクノ社の違法性が指摘されている300万円はじめ、全国水源林造林企業懇話会100万円、水源林造成推進連盟、日本林業経営者協会各30万円、全国木材産業政治連盟10万円の献金など。パーティー券購入も含めて農林関係の資金提供は686万円でした。
資格が問われる
西川氏は昨年10月、ウソの説明で和牛オーナーを募って約7万人の被害者を出した安愚楽牧場(栃木県)から125万円の献金を受け取っていたことが発覚したとき、「すべて返金した」と弁明しました。
今回も違法献金疑惑が明るみにでるたびに、“返金したから問題ない”という態度をとっていますが、職務と深いかかわりのある企業、業界からの献金をたっぷり受け取っておいて、そんな弁明では、すまされません。